レッツ ブリリアント 2004/07 第15号

発行者
精神障碍者社会復帰施設
特定非営利活動法人(NPO法人)ブリリアント 施設長 内田 秀司

住所 〒 441-8145 豊橋市駒形町字坂口56番地
TEL 0532-46-0033
FAX 0532-46-0163

URL http://brilliant-gh.sakura.ne.jp/

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平成16年7月1日発行

慰問活動ご協力に感謝致します

施設長 内田秀司

 おかげさまで「ブリリアント」の慰問活動も3月から始め、すでに6回を数える事になりました。さまざまな所でいろいろな人たちに出会い、素晴らしい感動や感激を味わっている寮生たちです。これからも慰問を通じていろいろな人生勉強をさせて頂くことと思います。どうぞ今後とも皆様のご協力をよろしくお願い申し上げます。

「統合のデメリット」

森下昌人(岩倉市50代)

 いま、市町村の統廃合が、やたらと多い。僕が仕事で行く渥美郡の田原町も最近田原市になった。お客さんに統合のメリットがあるかどうか聞いてみたら、そんなに変わらないと云った。

 田原町に統合された赤羽根町は、若者達がウインドサーフィンをする海岸で知られるようになった。赤羽根港は、兄が築港の仕事の関係でよく行っていたので、名前だけは知っていた。赤羽根町のように渥美半島で何の特色もない町は統合した方がよかったと思う。

 北設楽町も統合が話題になっている。住民に聞いてみたら、ここでも田原町と同じで別にメリットは無いと言った。今まで近くの役場で済ませていた届け出の書類は、町の統合で遠方まで行かなければならないから非常に不便だと言っていた。 

 統合されると昔の歴史的な地名まで、とんでもない名前になる。役所としては統合すればするほど管理が徹底されるから効率はよくなる。その反面いなか特有の個性が、どんどん消えていく。この勢いだと、全国どこへ行っても同じで、何も魅力を感じなくなる。

 スローライフを楽しむ僕にとっては、統合のブームは興味が無い。

花より団子って?!

杉浦 依和夫(沖ヨガ研究家:50代)

 ♪梅は咲いたか、サクラはまだかいな♪、なんて待ち望んでいましたがサッといってしまいました。それにしても、サクラの散りぎわのよさはとの心を感じさせます。武士道に、そして日本人に合っているのでしょう。お花見には、お酒とだんごはつきもの。花を愛でるより、団子をほおばる方が幸せいっぱい。でも、“人、みな美しきかな”もありますね。これは、だんごは食欲、花は性欲(性)、色のことですが。 「草が化けて花になる」、「花も十八、番茶も出花」、「草も咲かなければ、ただの草」、「花も恥らうお年頃」なんて川柳もありましたか。ここでの花は、“思春期の性”を言ってるのでしょう。 花は受粉の対象、お口を地中に、性器はお天道様に向かって恥らいなく咲いています。なんとなくちょっとエッチですね。万葉集には、花を季語・枕詞にして真意は赤面せざるを得ない恋歌が多くあるそうです。

 花は、その昔から恋・愛・男女の仲などを暗に表している語に使われていますが。“”は、紅花と緑柳、またはの略で色町、遊郭を指し、花柳界とつけば、芸者置屋・待合などの界隈のことで、花柳病は性病のことをいいます。それにしても、は大人の香りする不倫の匂う花ともとれます、花言葉はなんでしょうか。一方、体を甦らせること不老回春法やその秘儀にも「花操法」、「花電車にのる」、「花月操法」とか「花伝書」なるものもあり、花が出てきます。因みに“花月操法”は、花を草に戻す(化石にする)意で、女性の月経調節のこと。要するに上手に閉経させて、若さを失わずに更年期を通り過ぎようという、整体の操法の一つなのですが......。

 食欲中枢と性欲中枢は、脳内同じ位置にしております。ですから、この二つの中枢は拮抗していますから、お互い影響しあうわけです。また、過度の愛情やヒステリーもこれが化けたものとも言えます。お孫さんを異常なほど可愛がるのも性欲の欠如、性の衰えなど大いなる性との関係であります。痴呆もまたしかりです。

 食欲にまかせて口にするものがデタラメでは性欲(性)も乱れるのです。頭が混乱するほど、脳が興奮するほど大食になるのです。食べるほど頭を鈍らせるのです。体液は酸性化して性欲を異常にさせます。 ヨガでは、食欲と思考力は正比例し、性欲と行動力は正比例するといい。だから断食があり、小食クセ、よく噛むクセつけして脳を安定させ、自分の哲学と科学を研鑽せよと、そして自分の宗教を確立せよと、言っております。また、正しい姿勢、体操・運動法を行として練磨し、性をコントロールしなければなりません。

 心身症は意外と、生殖器や性欲が根底に原因があるものです。頭を使うクセや動くクセをつけましょう。これが食欲を安定させ、曳いては長寿と頭を良くするコツなのですから!。

鳥羽アンド山川のコンサートについて

藤田 一夫(寮生55歳)

 5月30日(日)に鳥羽一郎と山川豊のチャリティーコンサートのチケットを善意銀行から頂いているので宇野和男君と匿名希望さんと鈴木和君と私の4人で勤労福祉会館へいつもは車ですが施設長夫婦が息子さんの米国大学卒業式出席で不在のため歩いていきました。

 始めは遠くに感じたのですがコンサートを見れる期待感と楽しい皆の会話をしながらの歩きでしたのでだいぶ短く感じました。1階席のほぼ中央で見ました。2人の漫才風の楽しいトークと歌を混ぜてやってました。会場を鳥羽一郎だけでは満席に出来ず山川豊一人でも満員に出来ないような気がして、今のところ人気が2人で一人前の人気ではないのかなあと私は思いました。二人とも歌がうまいのでヒット曲に恵まれてそれに運がついてくれる事を願っています。

 それでも見ててとても楽しいコンサートでした。コンサートが終わってブリリアントに帰ると夕御飯をビックリドンキーで外食しようと言う事になり奥さんの弟さんに連れて行ってもらいました。皆ハンバーグを注文しました。とてもおいしかったです。

ブリリアント一座の活躍

宇野和男(寮生39歳)

 われわれブリリアントのスターダストの演奏をソロ、合唱、ギターの生演奏などと分けてプログラム化したものに、加えてシャンソンの森下昌人さん、精神保健福祉にその存在を光らせる前くすのき会会長の清水伸太郎さんのハーモニカ演奏、そして今年緑綬褒章をうけた佐溝 力さんによる(第11回ブリリアント祭りから縁の出来た方)なつかしのホウロウ看板の展示、説明を加えた一大イベントが5月26日渥美町堀切にある老人デイサービスセンター:「ヤシノミ」で約1時間半にわたり行われた。ヤシノミでは平均年令が高く僕らの世代の歌を歌ったのでは喜んで頂けないと思い「高原列車は行く」「あの丘越えて」「リンゴの歌」「青い山脈」を中心として歌いまた、ハーモニカの清水さんも、「カラタチの花」「里の秋」「我は海の子」を演奏された。ハーモニカはもちろんマイクスタンドをセットして広い会場を十分な音量でならしました。驚いたのは歌詞カードなしでハーモニカ演奏にあわせて観客の方々が合唱していた事です。やはり若い頃の歌は心に残るものなんだなあと再発見しました。

 また、ホウロウ看板の展示説明では昭和20~30年の頃の洗濯機や白熱電球のソケット付き看板、豊橋の駅前にたくさんあったと言う商店の看板などを見て「ああ、わたしゃよく行ったものだ」と実体験にもとずく懐かしさを感じていただきました。そのあと事前に歌詞カードをお配りして、会場の皆さんと一緒に歌ったのは「リンゴの歌」と「青い山脈」でしたが、みなさんよく練習をされたのかとてもよかったです。会場がひとつになり皆で昭和20年代にタイムトラベルしたような感じでした。「青い山脈」が終わると観客の方も心から満足していただけたらしく、10分程度の懇親会でも、数人の方から「私らの分かる歌でないといかんよ」とアドバイスを受けましたが「よう来てくれた」「ほんとにありがとうね」「また来てくださいね」「私は今日が出席日でラッキーだった。」などとありがたいお言葉をいただきました。社会的にはほとんど抹殺されている僕らでもこんなに出来る事があるんだ。しかも涙を浮かべてくれた人もいたと言う大きな喜びと達成感に包まれ、僕たちも満足して会場を後にしました。

 今度は6月20日に福祉村のあかね荘です。こんどは逆に今人気の曲しかうけません。今(6・10)必死に若い曲にチャレンジしてます。さらにそのあとは同じ福祉村内のたまも荘です。(7月7日)これからもがんばっていきたいと思います。

ブリリアントの寮生活

鈴木和(寮生28歳)

 水、土、日曜日の晴れた日は朝、ブリリアントの畑の草取りを1時間します。終わると16畳くらいあるリラックスルームでのんびりとしています。それ以外の日で畑が気になった時は、寮長の鈴木光雄さんが草取り、開墾などやってくれてます。また、ブリリアントの玄関にある、たくさんの花も光雄さんの仕事としてやってくれてます。

 宇野和男さんはパソコンでE-mailのチェックをしたり、ウコッケイのエサやり水汲み替え、卵集めを毎朝やってます。また、この新聞 “レッツ・ブリリアント” の編集長をやっています。藤田さんはポインターの “パンダ” の散歩30分とブリリアント入り口の駐車場の花壇の植物に水まきをやってくれてます。匿名希望さんはブリリアントの玄関にある鉢植えの花に水をやったり、窓や台所をきれいに磨いてくれています。

 また、土・日・祝の晴れた日は小型犬 “ジェニー” の散歩もしてくれます。僕は、月、水の晴れた日にジェニー散歩をしています。また、キッチンのコーヒーを入れる台に飛び散った粉を吹き掃除をしています。ブリリアントの廊下掃除は3組で1週間づつフルコース(1F,2F、トイレ、台所、リラックスルーム)を順番でやっています。当番の週がまわってくると気分がさえませんが、終わった時には「ああ、きれいになった。やってよかった。」と思います。

楽しかった潮干狩と釣り大会

匿名希望(寮生20歳)

 5月2日の日曜日、寮生と施設長さん夫婦の5人でブリリアント号に乗りいざ伊良湖まで車を走らせた。行く前に皆各自一人一人で手作りのおにぎりを作りAM10:30ころ出発した。この日は天気の方も何とかよく風は少しあったけど、寒いという程ではなかったので、上着を一着かばんの中に入れて車に乗った。ブリリアントから伊良湖まで約1時間かけて行った。

 最初は伊良湖だけにしようというはずだったのに、急きょ地名はちょっと忘れたけど、去年凄く良く捕れた場所が話題になり急きょそこへ様子見に行った。すでにたくさんの家族が(潮干狩りを)やっていてそこそこ捕れてたみたいなので、ブリリアントの皆もとりあえずここでやってみようと言う事となり、奥さんが砂浜にビニールシートをひき基地をつくると皆長靴に履き替え、バケツと小さいくまでをもって出陣した。しかしこの日は運が悪かったのかアサリは、期待してたほど沢山は捕れなかった。無我夢中になってアサリを捕っていたらそのうち潮が満ちてきて水がだんだん深くなってきて、慌てて戻った。その時、奥さんと施設長さんは要領よくあがっていったが、寮生は皆沼地と化したどろどろの砂浜にはまりながら何とか脱出した。

 特に体重の重い宇野君が最後まで「たすけてぇー」と叫んでいた。(笑) 結局施設長さんに助けてもらいべとべとになりながら、無事出てきた。 その後昼ご飯を食べて、いよいよ伊良湖へ・・・・・天気がだんだん悪くなり、小雨もぱらついたのでゆっくり潮干狩りというわけにも行かず、堤防からの投げ釣りをする事になった。宇野君はさっきの泥でもう気分を害してリタイア。おくさんも寒くなってきたので宇野君とともにブリリアント号に残った。

 釣りは施設長さんと藤田さんと私の3人になった。仕掛けやリールの投げはすべて施設長まかせで小1時間やっていたら、まず藤田さんが「おおっ!!」と声をあげ、かわいい子供のふぐを釣った。おなかを膨らませてあそんでいたがかわいそうと思いリリースした。その30分後今度は私の竿にあたりが来て「おおっ!!!」と思い竿を上げるとなんとさっきのふぐちゃんだった。「なんだぁ、またおまえかっ」と笑ってしまった。施設長さんには2時間の間一回もあたりがこなかった。結局潮干狩りも海釣りも坊主だった。成績はよくなかったけど、大自然の中で丸一日奮闘した事は、体の虫干しとなり明日からまた仕事でがんばろうと言う元気がもらえた。かわいいふぐちゃんはまた逃がしてやった。(もう、ひっかかるなよ)今度は夏の女ヶ浦でリベンジをしたい。貴重な体験ありがとうございました。

5月2日は感謝の日

宇野和男(寮生39歳)

 最近、個人的に、人間の前世と今生の巧みな構成、罪、待遇、ばかりでなくそれらの関係していた魂(輪廻転生を繰り返していく人のこと)までもが過去から関係しているという本を読んだ。その翌日はブリリアントの一行でいつものように潮干狩をしにいき、海、土、太陽、という大自然にたっぷり触れて心の憂さ晴らしをしました。しましたといっても、ビニールシートなどのアウトドア用品、お昼ご飯、などみな世話人さんがしっかりお膳立てをしてくれてのことだ。そして、世話人さんご自身も、心から楽しんでやってくれました。

 僕は、読んだ本の買いかぶりすぎかも知れないが、自分がいい親に恵まれず、お金や社会的肩書きばかりを頼りに世の中を渡ってきて、自信喪失から不安神経症になり自殺未遂までやって、精神病院に入れられ、人生そんなもんじゃないということがわかりかけてきた今、こうして愛情いっぱいの家族的生活を童心に帰って喜んでいられるのも何かの宿命のような気がする。僕にとって家族愛こそ一番欲しかったものだ。こうして大きな自由と大いなる愛・・・考えてみるとこんなに素晴らしいことを日々、再体験させてくれる “グループホーム・ブリリアント” はもの凄く貴重な所だと思える。僕は声を大にして言いたい。内田さんご夫妻様、鈴木寮長様、これまでの3年間ひたすら見守って下さって本当にありがとうございました 。これからは僕からも精神的にプラスなことをたくさん出して行きます。この、気づきに至った入所4年目の5月2日を、感謝の日と勝手に決めました。ありがとうございました。

歌練について

平林泰代(寮生31歳)

 スターダストの歌練はプロデューサーの杉本先生が指揮をとるときはやはり厳しいけれど、慰問に行くのだから当たり前だと思う。練習の時の1時間はあっという間に過ぎます。声がかすれてしまうんじゃないかと不安になってしまう。でも私は歌う事が大好きだしこれからも大変だけどがんばって皆に合わせてやっていきたい。

ブリリアントに御協力下さった方

アイトピア様、稲地様、太田様、大須賀様、上島様、北川様、佐溝様、清水様、杉浦様、杉本様、平井様、森下様、金原様

ブリリアントに御寄付下さった方

鵜飼様、北川様、金原様、杉浦様、杉本様、塩の谷様、鈴木様、久保田様、佐藤様、豊橋善意銀行様、竹内様、溝口様、波崎様、太田様、ヤシの実様、レスポワール様、山内様、小木曽様、白井様、有機デリバリーサービス様、東海有機(株)様

編集後記

 去年の8月から始まった10分良い事仕事は、自分で、その時出来るブリリアントを良くする活動です。もうすぐ1年になると感慨ひとしおです。私はウコッケイの餌やり、卵集め、水替えと、E-mailのチェック、スターダストの音響・指揮、この新聞「レッツブリリアント」のパソコン打ち、郵送するための宛名ラベル印刷などをしています。他の寮生も同様にかんばっています。これらはいずれ社会復帰の役に立つと思います。

編集長

 近頃、ブリリアントの寮生は慰問に情熱を燃やしています。慰問先に合わせるため、老人向けのナツメロを練習したり、施設によっては若者の歌を特集したりさまざまで、練習に余念がありません。しかし、彼らの目は輝いています。慰問の先々で体験した色々な感動が彼らに練習の意欲をわかせていると思います。何しろ慰問活動はブリリアントにとって素晴らしいエネルギーを吸収したりまた、彼らのエネルギーを発散したりする楽しいお祭りなのです。

内田里枝
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