レッツ ブリリアント 2009/07 第37号

発行者
精神障碍者社会復帰施設
特定非営利活動法人(NPO法人)ブリリアント 施設長 内田 秀司

住所 〒 441-8145 豊橋市駒形町字坂口56番地
TEL 0532-46-0033
FAX 0532-46-0163

URL http://brilliant-gh.sakura.ne.jp/

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平成21年7月1日発行

ブリリアントは気配りの時代

施設長 内田秀司

 最近のブリリアントは気配りの時代に入ったような気がします。

 精神病院を退院し、あるいは他の環境からブリリアントというグループホームに入寮した彼らはまず、孤独から解放されます。

 一度に兄弟が出来、親が出来、友達が出来、幸せを実感します。そして心をゆるめ今までため込んできた膿を吐き出します。

 それがお話し会の世界であったり、毎日の反省会の時であったりしますが、そのたびに心の掃除をしてゆくのです。

 そして空っぽになったところで仲間から世話人からまたは支援者から愛情をとくとくと注ぎ込んでもらいます。それで回復が始まってゆくのです。

 最初は自分のことさえも思うように出来なかった彼らが、自分の足で立てるようになり、この頃では他の人に気遣いしてあげるまでになりました。それは特に慰問活動の場面で発揮されます。慰問団はコーラスグループ(スターダスト)と支援者から成り立っています。その支援者の一人、清水伸太郎さんは一座には無くてはならない人です。彼のハーモニカは聞く人の心を癒し、幸せに導きます。ハーモニカの音色が響くとどこからともなく歌声がわき起こり、会場は大合唱となります。そんな伸太郎さんも実は10年ほど前に脳溢血を患い、右半身が不自由な体なのです。

 それでもこうして慰問団に参加して、人々の心を癒し続けてくれているのです。

 寮生は杖を突いて一歩一歩地面を踏みしめるように歩く彼に寄り添い、車の乗り降り、目的地での車いすの手配、誘導など、我先にとその役を奪い合うようにやってくれるのです。私が命令する訳でもなく、自ら進んでお世話をしてくれます。そんな彼らの姿を見て、私は何とも言えない幸せ感に浸るのです。(ずいぶん成長したな・・・。)

 寮生がここまでこられたのも一重には皆様のご支援のたまものと深く感謝しております。これからもどうぞ彼らを応援してあげて下さい。温かく見守ってあげて下さい。

 よろしくお願い致します。

臨時世話人を体験して

大須賀良子(支援者)

 5月17日から4日間、ブリリアントの施設長夫妻が中国のハルピン方面に出掛けるという事で、近藤さん、石原さんと3人で夕食の手伝いに出かけようという話になりました。

 献立は餃子と肉じゃがと決めました。ちょうど近藤さん家で餃子を作ったと言う話しを聞いて、何となし計画しました。

 19日午後、まずブリリアントに行って、材料を点検する事にしました。 冷蔵庫にもやしがあり、畑にニラが自生していたので摘みました。 ニンニクを一本抜きました。ジャガイモも玉ねぎもまだ育っていませんでした。 近くのスーパーに行って、ジャガイモと玉ねぎと人参、肉類、餃子の皮を買いました。 野菜は近くの農家で獲れたばら売りを選びました。

 みんなで買い物も楽しいですね。 ブリリアントに戻って、夕食の支度にかかりましたが、頼りの宇野君達が誰も帰っていません。仕方なく調味料など、台所を探しまくります。これも3人いると何とかなります。

 近藤さんが、持ってきてくれたキャベツやニラや玉ねぎを刻んで(それが実に手際よく、きれい!)、石原さんが肉じゃがや味噌汁にかかります。

 そうこうしているうちに、白井さんがゆうきデリバリーサービスの仕事から帰ってきて、今日はブロッコリーをもらってきたというので、急遽茹でることになりました。 献立を言ったら白井さんは餃子の職人だったことがあるとのことで、百人力となりました。 やはりかつての餃子職人は凄い!包むのは早く美しい!

 私の方は、包み方をどんなに優しく教えてもらっても、ちっともうまく作れません。

 不格好なのや皮が破れてはみ出したのや・・・。それに白井さんは焼くのも実に上手い!

 よだれが出そうなくらい美味しそうな餃子が焼け、石原さんの良い味付けの肉じゃがと味噌汁ができ、ブロッコリーが茹であがり、夕食の準備完了。

 Jさんや宇野君や剛君もかえってきて皿を並べてくれました。

 機関誌の「レッツブリリアント」やスターダストの施設訪問の話しなど賑やかにしながら、皆で囲んだ夕食は格別美味しかったです。

 毎夕食後にやっているという反省会に同席させてもらって、「みんな素直にまじめに生きている」というのが実感で感動しました。みっちやんはやはり貫禄です。

 後片付けはみんなでやってくれて、次の施設訪問の歌の練習にかかると言うので、一曲だけ聴かせていただいて帰ろうと言っていたのを、もう一曲聴きたくなり、私達のために選んでくれたメロディーに乗って帰りました。

 選曲も歌声も優しさが溢れていました。 施設の方々はこれに癒されるのですね。みんなに待たれている!

 みんな優しい! 優しさをもらって、心が温かくなって帰りました。

 ブリリアントの皆さん本当にありがとう!また寄らせて下さい!

「うつ」状態に落ち込んで

伊藤 剛(寮生47歳)

 五月の終わりから六月上旬にかけて、一週間ほどでしたが、まるでエアポケットにはまったかのように「うつ」状態に落ち込んでしまいました。いつもは「躁」に舞い上がる方がほとんどなので、実に七年ぶりくらいのうつでした。理由はあるようでないようなささいな事なのですが、いつまでも過ぎたことを頭の中でグルグルと後悔して、どんどんと気分が落ち込んでしまいました。朝起きるのがおっくうになり、なんとか起き出して寮生の当番で決まっている野菜畑の水撒きをすませると、朝ご飯も食べずにまた寝込んでしまいます。昼も寝過ごして昼食を午後三時頃食べてまたベッドへ。夕食も、みんなと顔を合わせるのが嫌になって、反省会と体操が終わった後に一人で食堂で食べていました。パートの仕事はまるまる一週間休ませてもらいました。

 ベッドに入っていても、眠っているとき以外はマイナス思考の固まりとなって、悶々と後ろ向きの考えが、どうどう巡りしていました。これではいけないとわかっていても、どうしても起きる気力が湧いてきませんでした。いつまで続くかとゲンナリしていましたが、六月の中旬までにはどうしてもやらなければならないことがあったので、11日の月曜日になんとか必死に起き出して、散歩に行きました。久しぶりの散歩で、あまりいい天気ではありませんでしたが、なんとなく心が晴れ晴れとしました。その日は勤めに行けました。

 一度ベッドから起き出したら、どうやらエンジンがかかったようで、月、火、水、木、金と連続してパートの仕事が勤まりました。その後は、100%とは行きませんが、90%ぐらいでなんとか日常生活を送れています。今回は、やらなければいけないことが、プレッシャーともなり、同時に尻を叩いてくれたように思います。

  木曜日の朝、藤田さんに久しぶりに食堂で顔を合わせたら、 「久しぶりだねぇ、良くなった?」

 と声をかけてくれました。本当にうれしかったです。一人でアパートに暮らしていたら、声をかけてくれる人もいないし、毎朝の水撒きや反省会などのイベントも無いので、躁なら躁、うつならうつになりっぱなしになってしまうと思いますが、グループホームの共同生活のありがたみをつくづく感じました。

  うつで悩んでいる人や困っている人は本当にたくさん居ると思いますが、長い短いはあっても必ず元のように立ち直れる日が来ると思いますので、がんばらず、自分をいじめず、悲観せず、小さいことでもいいから希望を持つきっかけを見いだして、病と付き合って行きましょう。

佐溝力コレクションファン設立総会

匿名希望

 初夏の日差しが感じられた5月の第2日曜日に私達ブリリアント一同は県民の森の入り口にあるログハウスへ行きました。

 私達が佐溝さんと出会ったのは5年前のスターダスト慰問活動が始まってからで、一緒に慰問へ行くたびに精神的・人間的に色々とアドバイスをもらっていました。

 佐溝さんが慰問に来られなくなってからも交流はあり、趣味として集めているほうろう看板の展示会などにも行ったりしました。

 テレビ、雑誌、新聞などさまざまな分野で活躍している佐溝さんがファンクラブを設立するという話しがあり、参加しました。

 去年もログハウスに来たのですが、初めて来たときは「なんて立派なところだろう。」とびっくりしましたが、来るたびにこのログハウスの深い落ち着き感や、整った家具などから来る味わい深い雰囲気に感激してしまいます。

 総会に集まった人もここで時間を過ごすことが心からうれしいといった感じの方々ばかりで、一緒に参加することがとても楽しく思いました。

 第一部では総勢30名ほどが集まり自己紹介から始まりました。日頃人前で話すことに慣れているはずの私達も、この時ばかりは緊張してしまいました。自己紹介をしていく中で佐溝さんを支援する人が幅広く集まっていることがよく分かりました。

 第二部ではオカリナとフォークギターの演奏会が始まり、たくさんのレパートリーの中から私達がよく知っている曲を選んで演奏して下さいました。又、佐溝さんも仲間のバイオリン演奏者の方と一緒にアカペラで「憲兵伍長の歌」を披露されました。この歌を聴くと、まばたきの一瞬と言われている人間の生命のはかなさをしみじみと感じました。

 みんな少しなじんだところで屋外の庭でバーベキューをしました。ブリリアントからも食材をたくさん持参しました。火は全て炭火で、このため火おこしから調理までただ一人でがんばって下さったメンバーの方もいたので私達も手伝いました。宴もたけなわになると皆、うちとけて話もはずみ交流が一層深まりました。お互いの趣味も語り合うようになり、その中で絵の得意な方が来られていて、寮長の鈴木光雄さんの似顔絵を描いて下さいました。

 しばらくすると、少し場所を変えたところで楽しそうに音楽を奏でているのが聞こえてきました。聞いている人の輪がだんだん大きくなり、私達も移動しました。

 最初はオカリナ、フォークギター、バイオリン、民族楽器の太鼓の演奏会のような感じでしたが次第にフォークソングをみんなで合唱するようになりました。何曲か一緒に歌った後、

 ブリリアントにリクエストがかかり、ギター伴奏で私がソロで「ハナミズキ」を歌いました。日頃から歌の練習をしている成果が出せたことは良かったです。最後の締めで3曲・「岬めぐり」「翼を下さい」「ふるさと」を合唱し、閉会の時間となりました。お互いに再会の約束と別れの挨拶をしてそれぞれ帰りの道につきました。

 ブリリアントに帰ってからも余韻が残っていて寝るまぎわまで語り合いました。

 このような素晴らしい会は「1年に1回では待ちきれない。」と言った方もいらっしゃいましたが私達も是非また参加したいと強く思いました。心から癒される上質な空間とはまさにこの事だなと感じ、全てはたくさんの人が佐溝さんの人柄に集まった事から始まったと考えると、私達の出逢いは素晴らしいものだったと思えてきて、佐溝さんには心から感謝しています。ありがとうございました。

「現代人は、何をどう食べればよいか」

森下昌洪(一般:岩倉市62歳)

 人は健康であるためには自然に食べたい時に食べたい物を偏らないように食べ過ぎなければ良いと思う。健康ブームで病気にならない為のTV番組や解説本が人気になったが、現代人は急には食生活を変えられないだろう。

 僕が昔興味を持ったマクロビオテックでは果物が良くないという。新谷さんの本では食前、食間に果物を勧めている。両者共に牛乳は牛の子の為であって人間の飲み物ではないという。本を読んだ人達はカスピ海ヨーグルトを食べられなくなってしまった。僕もその一人だ。マクロビオテックはみかんは体に良くないと書いていた。だからみかん農家に病人が多いと言っている。僕の出身の浜松の三ヶ日みかん農家の友人は健康そのものだ。

 身土不二と言われる。その土地で出来た野菜が体によいらしい。そうなると新谷さんの勧めている、果物の王様といわれるパパイヤ、パイナップル、バナナなどはマクロビオテックの敵に当たる。

 玄米菜食は両方とも中心の食べ物でこれは良いと思う。 目の仇にしているのに精製された食塩、真っ白い砂糖、白米に至ってはかすを食べている。そんなことをいったら光り輝くコシヒカリで握ったトロの鮨など最悪の食べ物になる。

 ジュース類、コーラ、コーヒーもいけない。それにケーキでも付いたら病気になるらしい。電子レンジは電磁波が食品の細胞を破壊するからいけない。そうしたら携帯電話は持ってはいけない。水は生を飲むな。浄水器を付けなければ飲めない。

 もうここまでしっかり本を読めば読むほど何も食べるものがなくなり逆に病気になりそうだ。いかに自然に生活することが難しい世の中かと思う。

幸せな生活(人権宣言)

宇野和男(寮生44歳)

 ブリリアントでの生活は幸せです。その理由は寮生、世話人さん支援者さん皆が、人間的にいい性格だからです。又、支援者さんからのありがたい寄付でひもじい思いをしないですむ、経済的余裕があるからです。人間関係的には月2回のコーラスグループスターダストの慰問活動や、その練習のときに築いた、皆で助けあう関係が、日常の生活でもそのまま息づいていて、個人の性格・存在を互いに尊重しあう考え方が深くあります。如何に稼いで如何に効果的に消費生活を送ろうかなどという現世的なあくせくした人生は存在しえません。

 私も国立大学を卒業して、一流大企業の社員だった頃はそういう人生しか見えませんでしたが、発病して困って、そういう生き方ではやっていけない事に気付きました。そこでよく考えると、たとえば男性はローンなど組んで、自家用車を持ちたがりますが、そしてどんな車種かで、女性の打算も働きますが、自動車を使わなければならないほど忙しい生活を我々認定障碍者が送っているのかと言うとぜんぜんそんなこと有りません。まれに年老いた両親のすねを40歳になっても50歳になってもかじって一見跳んでいる障碍者もいますが、認定障碍者は普通時間はたっぷりあります。自転車でどこでも行けばいいのです。ブリリアントでは、普段個人的には自転車でも、週末の小旅行や各種イベント参加の際には公用車・ブリリアント号があります。(8人乗りのNOAH)年一回一泊旅行もあって東京や九州までもメンバー一同で自動車旅行は出来ます。普段の自由時間たっぷりの生活で自動車を使う必要はまったくありません。だからぜんぜん惨めな気分にはなりません。卑屈になることもありません。地球環境の改善にも寄与しています。私が言う無駄遣いというのは例えば、家族で携帯電話を新型のものに乗り換えることを新規種登場ごとに繰り返すことなどです。

 私の趣味は昔からオーディオ、パソコンですが、昔双子の兄と一緒に買った機械があり、現在も毎日の生活で活躍しています。機械は本物を購入し、永く愛用することが大切です。必要な出費もあります。たとえばデジタル放送に対して液晶デジタルハイビジョンTVは購入の必要があります。又先ほどの自転車のパンク修理などに臨時の出費がかさむことも大切なことです。人間、本当に必要な文明だけ限って取り入れれば物に振り回されない、心の幸せに自然と気づくものです。心の幸せこそ本当に必要なものです。優しい心、助け合う心、楽しく過ごそうという協調性、それらを基礎とする天国のような会話。私は入所したての頃からこんな達観した考え方をしていたわけではないけれど、8年たってようやく自分の道を見つけられた気がします。この幸せは寮生一人ひとり微妙に違っていますし、一言でこうだ・・・とは言えません。毎週木曜日に行われているブリリアントのお話会で私たちが話す楽しい会話にその時々の答えを見つけてくださいとしか言えません。

 さらに言うと私はまるでハーレクイーンの小説の中でヒロインが、親が結婚を許してくれないような男性と結ばれたいと深く考える時に結局その親を捨ててしまうように、(それは一つの人生の価値観の選択に当たる)いつまでたっても私をありのままに認めようとしない古い付き合いの少数の人間たちに対して北風を送り続けるような、愚かさを捨ててしまっていることを認めなければなりません。そうすることによって初めて自分の人生を自分で肯定できるのです。私は障碍者であり、全国に仲間がはるかにたくさんいます。この生活こそ本当の人生だと受け入れることが大切だと思います。今日も仲間と楽しく過ごし、天国のような互いにこころよい生活を送っていこうと思います。

体験入寮して思ったこと

藤原良江(体験入寮生:27歳)

 私はブリリアントに体験入寮しました。6月1日から6月7日までしました。寮の生活はまあまあ私にとって良い環境です。病気も少しずつ落ち着いてきました。

 朝起きて散歩に行って畑の草取りをしました。朝食を食べて作業所に行きます。精神の作業所です。さざなみの作業所です。私は9年間病気と向き合って来ました。とても辛かったです。長く付き合っていくのが不安でした。でも1日1日を大切に地道にがんばっていこうと思いました。私は家の環境が良くなく、お父さんとの関係が良くないです。疲れてしまって自分のことが出来なくなってしまって入退院をくり返していました。お母さんが去年、病気で亡くなってしまい、私が家のことをこなしてきました。がんばってやってもお父さんには分かってもらえません。お母さんの大変さが良く分かりました。

 お母さんは結婚してから働きっぱなしでした。だから体調を壊して病気になってしまいました。5年くらい寝てました。最後は病院で息を引き取りました。お母さんは私の事を心配していて父と2人で暮らすことを心配していました。お母さんに声をかけました。「心配しないで。お父さんと一緒にがんばっていくから。」と伝えると眠るように息を引き取りました。

 お父さんとの生活が始まりました。お父さんのとばっちりで疲れてしまいました。私は限界に近づいてきました。ブリリアントに相談しました。そして体験入寮することになりました。グループホームの生活は私にとって合っています。私は集団生活が苦手ですが今回は何かが違うような気がします。みんなの輪に入っていけることです。

 私は収入が少なく、ぎりぎりの生活でもやっていきたいです。今回は軽はずみではありません。自分の人生を変えていきたいと思いました。不安はあるけど少しずつ自分のすみかを作って、病気を吹き飛ばして元気になって、いろんな事を体験して毎日が楽しく生活できればいいと思いました。

ブリリアントの誕生日会  「天ぷらパーティー」

理事長  内田里枝

 「ジュワー、パチパチパチ」 ブリリアントの食堂から美味しそうな匂いや音が聞こえてきます。そうです。今日はブリリアントの誕生会なのです。寮生、お客様、交えて総勢18人の大パーティーです。料理長はなんと支援者の井上さん。主人の高校時代の同級生です。彼は一度下見に来られただけでほとんど寮生達と会ったことはありません。なのにその胸の広さ、大きさは凄かったです。彼はブリリアントに着くなり、いきなり両手を広げたのです。「さあ、おいで!!」うれしくて寮生達はすぐにその温かい胸に飛びこみました。テーブルをつなげてパーティー会場を作ったり、天ぷらの下ごしらえを手伝ったり、とても楽しそうです。もう寮生達はすっかり彼の居心地のよい大きな胸の中です。

 長い大きなパーティー用のテーブルの先端に彼が位置し、色々な材料を揚げてくれます。5人分ずつ皿に載せて回してくれます。エビ、いわし、あなご、タラの芽、エリンギ、シイタケ、ナス、ゴボウ等々。天ぷらが来たら遠慮せずすぐ食べるのがルール。今までブリリアントでは、揚げてから盛りつけが終わって食べるまでにはすっかりさめてしまって、こんな熱々の天ぷらを食べたことはありません。揚げたての天ぷらがこんなに美味しいなんて改めて実感しました。味も天つゆだけでなく、ニンニク醤油がぴりっとして美味しく、癖になりそうでした。

 面白いのは一回食べると次の皿が来る迄には、「5分間待つのだぞ!」があります。なんといってもこの人数でコックさんは一人なのですから・・・。そろそろ欲しいなと思う頃次の天ぷらが回って来るのです。

 その間に自己紹介を兼ねて誕生日の人へのお祝いの言葉がありました。誕生日の主人公も4月生まれは主人と寮生の2人だけかと思いきや、お客様の中にも2人もいて全部で4人の人がお祝いされる事になりました。ユーモアを交えての楽しいお祝いのメッセージが終わると、今度は誕生日の主役達が御礼を述べる場面となり、照れたり、笑ったりの大騒ぎでパーティーはますます盛り上がっていきました。

 一通りの材料の天ぷらを頂き、お腹もちょっと落ち着いた頃、「今度はリクエストにお答えします。」のコックさんの声があり、Jちゃんは大好きなエリンギを注文しました。美味しそうに揚げたてのエリンギをほおばるJちゃん。パーティー会場は幸せの空気に満ちあふれていました。もうこれ以上は食べられないと思う頃、パーティーの第一部は終了し、支援者のお客様はすごすごと奥の院にお引っ越しとなりました。

 第二部はケーキタイムです。寮生達とたった一人の人質の曽我先生を交えてハッピーバースディを歌い、ケーキを頂きました。今夜のケーキはまた一段と美味しく感じました。本当に楽しい素晴らしい誕生パーティーでした。

 井上さんありがとうございました。あなたの胸は無限に広く、大きく温かかったです。寮生達もあなたの溢れんばかりの愛をいっぱいいただいて幸せを満喫したと思います。これからも時々は寮生達をあなたの大きな胸に甘えさせて下さい。そして甘いだけでない、本当の愛を注いでやって欲しいと思います。

夢と人生

藤田一夫(寮生60歳)

 私は10代、20代にかけて初恋が2回ありました。と言うのもおかしいですけれど、どちらの人も同じくらい強い恋心を抱いていたときがありました。実は結ばれなかったけれど恋をするって素敵なことですね。同じ頃に女性と愛し合った夢を見ました。現実よりも夢のほうが過激ではないかと思われる夢でした。私はそのあくる日、続きを見たいと思って寝ましたが見られず、その又次の日につづきが見られたのです。大変感激しました。この夢はいまだに忘れません。

 この頃の生活は貧乏な生活でしたけれど今思うと大変幸せなときでした。夢に出てきた女性に感謝します。それから30年、40年経ってもこういう夢は見られませんでしたけど、つい最近2009年6月10日に久しぶりに女性が出てきたのです。きれいな女性でした。でも感動はありませんでした。並んで座っただけで、話もうまくいかなかった記憶があります。でもこの夢を見たことで今までの苦しい生活に淡い光がさした思いがしました。これを機に生活に良い変化が有るように願っています。

 現実の生活は厳しいです。貧しくて苦しいです。異性に対する刺激が即幸せに感じ、目に見える幸せに思います。だから歌謡曲には恋愛が多い気がします。私は2009年5月12日で60歳の還暦を迎えてしまいました。どの時代がゴールデンエイジとは死ぬまでわかりません。これからも望みを持って生きて行きたいと思います。

行事報告(平成21年4月~6月)

4月

4/4 (土)お花見(向山公園)
4/7 (火)「ブリリアント慰問(赤岩荘)
4/12(日)駒形神社清掃、春祭り参加
4/19(日)誕生日会(天ぷらパーティー)
4/25(土)「ブリリアント慰問」(グループホームたけのこ)

5月

5/2 (土)ピクニック(豊橋公園、小島海岸)
5/3 (日)ドライブ(県民の森)
5/5 (火)「ブリリアント」慰問(椰子の実)
5/10(日)サミゾコレクション総会、ミニコンサート、バーベキュー (県民の森入り口のログハウス) 
5/24(日)「ブリリアント」慰問(つつじ荘)
5/31(日)ゴミゼロ運動、ピアノリサイタル鑑賞(フロイデンホール)     

6月

6/14(日)ブリリアント総会
6/20(土)「ブリリアント」慰問(あかね荘)
6/21(日)ウェラーザンウェル学会シンポジウム(東京、一橋記念講堂)
6/27(土)「ブリリアント」慰問(和:なごみ)
6/28(日)誕生日会(フライパーティー)

ブリリアントにご協力いただいた方々

井上浩様、今泉良美様、万久商店様、北川藤良様、大須賀良子様、石原様、近藤様、 曽我洋秀様、位己光児様、清水伸太郎様、白井千雄様、稲地扶美子様、佐溝力様、杉浦依和夫様、山口京子様、金原康純様、あいトピア様、豊橋善意銀行様、ゆうきデリバリーサービス様、東海有機(株)

ブリリアントにご寄付下さった方々

梁川様、今泉良美様、水藤晃世様、森下様、村川二三代様、平松豊子様、マダム芳江様、佐羽尾様、小木曽様、永井和子様、北川藤良様、赤岩荘様、万久商店様、井上浩様、グループホームたけのこ様、古関様、佐溝力様、松井伸美様、三浦様、橘様、山本美和子様、椰子の実様、内田貴士様、近藤吉央様、夏目様、近藤様、飛鳥井淳子、白井千雄様、兵藤昇様、清水伸太郎様、山口京子様、鋤本様、筒井電気工業所様、伊藤洋様、山本良美様、鈴木静子様、大沢芳江様、金原光昭様、金原康純様、野村浩子様、金原博昭様、曽我洋秀様、太田睦美様、竹内艶子様、レスポワール様、生田久子様、小野田様、豊橋善意銀行様、ゆうきデリバリーサービス様、東海有機(株)

いろいろとご協力、ご支援ありがとうございました。

編集後記

 精神薬の減薬をし続けています。もう10ヶ月経ちました。効果は比例ではなく、時間とともによくなる積分型です。パニック発作に悩まされてはいますが、全体的症状は確実に良いです。記念写真も自然な笑顔で、いい味が出せるようになりました。今年の夏はどんな思い出や写真が撮れるか楽しみです。今回の作文では最近見えてきたことで、大切な障碍者視線の人生を送る心構えについて書いてみました。少しテーマが遠大すぎて途中で何度も推敲しました。割り切りの大切さと、そんなに悪くない障碍者人生を知って欲しかったです。

(宇野和男)

 梅雨の合間の早朝散歩が楽しいです。いろいろなお家のワンちゃんたちに声をかけたり、ぐんぐんと育ってゆく畑の作物に驚かされたりしています。毎朝顔を見かける散歩の常連さんたちとの挨拶も楽しみです。夏本番が来ると、朝から暑いですが、今はまだ余裕で散歩ができています。皆様も、健康にはくれぐれもお気を付け下さい。

(伊藤 剛)
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