レッツ ブリリアント 2019/10 第78号

発行者
精神障碍者社会復帰施設
特定非営利活動法人(NPO法人)ブリリアント 施設長 曽我洋秀

住所 〒 441-8145 豊橋市駒形町字坂口56番地
TEL 0532-46-0033
FAX 0532-46-0163

URL http://brilliant-gh.sakura.ne.jp/

お問い合せはこちらから

ブリリアント祭りのお知らせ

曽我洋秀(施設長・鍼灸師)

 いつもご支援をいただきありがとうございます。昨年はブリリアント祭り、クリスマス会ともに、行われませんでした。今年度は、12月1日(日)にブリリアント祭りとクリスマス会を兼ねて、駒形町公民館にて開催いたします。皆さま方には一人でも多い参加をお願い致します。また、ボランティアのお手伝いもよろしくお願い致します。  簡単な挨拶ですがよろしくお願い致します。ありがとうございます。

一昨年のブリリアント祭のようす

一昨年のブリリアント祭のようす

2019 ブリリアント祭り チラシ(PDF)

ブリリアントのペットたちの現在

伊藤 剛(寮生・57歳)

 現在、ブリリアントには3匹のペットたちがいます。メス犬のジェニー(16歳:茶色、雑種)は、最近特に老いが目立ってきました。散歩はヨチヨチ歩きで、時々途中で動けなくなったり、曲がり角の側溝に落ちるようになってしまいました。顔の周りには、白髪?というか毛の色が薄くなってツヤが無くなった毛がたくさんあります。餌を食べる量もだんだんと減ってきて、普段はほとんど犬小屋の中でじっと横たわっています。散歩に行くよと呼び出しても、のそり、のそりと物憂げに出てきます。前はビュッと飛び出してきたものでしたが。体力がだいぶ落ちているようですが、もう少し頑張って長生きしてほしいです。

 メス猫のジュン(15歳:茶色のブチ、雑種)は、ブリリアントから居なくなってしまいました。でも、行った先は分かっています。同じ町内ですぐ近くに住んでいる方のお宅に入り浸っており、長期の居候になっているのです。居なくなってから1週間ほど経ったときその方がブリリアントにみえて、「あんたん所のジャック(ジュンは片眼なのでその方は"ジャック"と呼んでくれます)はウチに来ているからね。」と言ってくれました。なんでもその家には他の猫も1匹居候をしているらしく、ジュンはそちらの方が居心地良いのかもしれません。ただ、たまにブリリアントの駐車場の辺りをウロウロしていることがあり、白井さんが抱っこして中へ連れて入ったのですが、すぐに駆け出して外へ行ってしまったそうです。里心がついて帰ってきたものの、どこか恥ずかしいか、照れくさいのかもしれません。(笑)

 同じくメス猫のチビ(16歳:黒一色、雑種)は、もともとは僕の実家の飼い猫だったのですが、ブリリアントで飼ってもらえることになったラッキーな猫です。僕と同じです。チビは相変わらずマイペースですが、人懐っこい面もあり、僕が寝る間際に「チビ、おいで。さぁ寝るよ。」と廊下で横になっているチビに声をかけると、ひょこっと立ち上がって部屋に歩み込んで、僕のベッドに上がり、枕元で横になります。この夏は寮生の居室へクーラーが設置され、快適に過ごせたのですが、僕がドアを閉めきってしまったので、部屋の猫トイレを使えなくなったチビがアチコチで粗相をして、世話人さんたちを困らせてしまいました。1階にあった猫トイレを僕の部屋の前に置いたのですが、それをチビは使わないのです。それと、いささかボケが来たのか、僕の部屋の中の猫トイレでキチンと用が足せなくて、近くを汚すことも多くなりました。この間は、トイレの砂を交換してあげた直後に床にオシッコをしてしまったので、「チビィ~っ!!」と、危うくキレかかりました。(泣)

パソコンの上でくつろくチビ

パソコンの上でくつろくチビ

 最近のチビは、前田くんの部屋に入り浸り、いい気でくつろいでいます。彼の部屋の床にはゴザが敷いてあるので寝心地が良いのかもしれません。前田君の話では、チビの体にノミがたくさん居るということだったので、それはイカン!と、ホームセンターでノミ避け首輪:6ヶ月有効というやつを買ってきて付けてあげました。

 先日、インターネットを見ていると、時事通信社の「猫も犬と同じぐらい忠実? =飼い主に愛着 - 米研究」というニュース記事に、以下のようなことが書かれていました。

【ロンドン時事】猫が世話をしてくれる人間と築く絆は、犬や人間の幼児にも引けを取らない-。米研究者によるこんな調査結果をまとめた論文が、米学術誌カレント・バイオロジーに掲載された。  犬に比べて猫は飼い主に愛着を持たないという俗説は、猫の社会的能力を過小評価している可能性があるという。調査は子猫70匹を対象に実施。なじみのない部屋で飼い主と2分間過ごし、その後2分間引き離した上で、2分間再会させるという実験を行い、猫の飼い主に対する反応を調べた。同様の実験は人間の幼児や犬を対象にこれまで実施されてきた。この結果、猫が再会した飼い主に安心した様子を示した割合は約64%となり、犬の約58%、幼児の約65%と類似の傾向を示した。成猫38匹を対象に実験した場合でも同様だった。  研究チームのオレゴン州立大学のクリスティン・ビターレ博士は「猫も犬と同様に、社会的な認知能力を持っていることを示唆している」と述べている。

 僕は犬も猫も好きですが、どちらかというと猫派です。一般的には犬の方が主人に忠実で情も深いと言われているので、上記の記事を読んだときには嬉しかったです。夏が過ぎてだんだん涼しくなってくると、猫のチビが僕のベッドを占領する頻度が多くなってきますが、もっともっと可愛がって、長生きしてほしいです。

ブリリアント菜園の収穫について

白井千雄(寮生・74歳)

 春に植えたジャガイモが多く取れたので、秋ジャガを植えた所、なかなか芽が出ないので掘ってみたら皮だけになっていたので、春に取れた残りのジャガイモを植え替えた。今年は根菜、ゴボウ、人参、大根などが良く育ったので良かったと思います。ゴーヤ、黒ウリ等早めに植えたので良かったです。

心にくる瞬間

渡邉茂治(寮生・38歳)

 暑い日はまだありますが、涼しいと思う日も出て来ました。でもまだ油断はできません。熱中症には気をつけたいと思います。規則正しい生活をしてリズムを狂わさないように日々をすごしています。僕は晴れの日はなるべく外出したいと思っています。よく散歩やサイクリング等をします。

 毎日同じ事の繰り返しのような日々を感じることがありますが、よく神経をとぎすますと、一見同じように見えたり感じたりしても、空気や雰囲気が微妙に違うような感じがする気がしてきます。自分的には。

 話は変わって、少し前に大きくてキレイな虹が出ていました。しばらく見入っていました。一度は見てみたい流れ星、大きな入道雲や夕焼け空とか満月が出ている夜空等、あげたらキリがないのでキリにします。インターネットやテレビで見られると思いますが、やはり生で自分の目で直に見るのは圧倒的に違うと思います。心に来るか来ないかですね、と自分はすごくそう思います。

今年は中玉スイカを植えてみて

前田武志(寮生・23歳)

 一昨年、昨年と小玉スイカを作っていました。今年は中玉スイカを植えました。今回植えたのは黒スイカと、皮の中が黄色いスイカ(この文中では黄色スイカと書かせていただきます)でした。

 苗を植えて、先に実ができたのは黄色スイカでしたが、あとからできた黒スイカが黄色スイカをあっという間に追い越していって、ちょっと驚きました。追い越されてからは黄色スイカが少しずつ弱っていって、結局大きくりっぱなスイカはできませんでしたが、小玉スイカよりも小さいスイカができました。でも食べてみたらおいしかったので良かったです。

 黒スイカは大きくりっぱな実が5つもできてくれました。でもそのうち2つはちょっと若かったです。けど甘さはちゃんとあってやっぱりスイカはスイカだな...と思いながら食べていました。残りの3つは完璧と言ってもいいくらいの出来の良いスイカでした。次は大玉スイカを育てたいと思っていますが、ひき続き中玉スイカも植えたいと思います。

☆彡 ずーっと 心に ☆彡

鋤本恵美(支援者)
~和尚さんの講話より~

 阿弥陀さまや宇宙のことを説くために生まれてきたお釈迦さま。
わたしたちから見たら遠いけど、仏さまから見たら近い私たち。

"拝む私と 仏さまが一体"
 拝む私と 拝まれる仏とが一つ、心の中に合体して居る。見る物聞く物を、拝む心で眺める。拝む時には仏さまが在る。この場に居るということは、仏の身である。

 マールンクヤというお弟子がお釈迦さまにたずねました。
「お釈迦さま、この世は永遠に存在しますか? なぜ人の命に限りがあるのですか?」
 お釈迦さまがこたえました。
「これらの事柄は、いくら議論し合っても、だれもが納得する答えはでない。だから、私は今まで説いて来なかった。今、おまえに必要なことは、世の中のことすべてを正しく見ることができる眼だ。正しい見方は、智慧の眼によって生まれる。智慧の眼を養うとよい」

"不可解=説くべからず"
 みみずの頭は...? みみずの尾は...? 二つにきっても 動くみみず。
どっちが仏・・・? どっちが・・・悪? どっちが・・・仏性?
わからないことは説いてはならない。結果の出ないことをあれこれと考えるよりも現実を見なさい。わたしたちには、ことごとく 仏になる素質がある。


ふむふむ そっかあ~。いつごろからかなあ~。なんで? どうして? という言葉がだんだん消えていったなぁ~。どうしても どうしても 納得できない時は・・・・・・
空を見上げた ただ それだけ
大地を踏んで歩いた ただ それだけ
  大地と空の真ん中に わたし が 居る
  空と大地の真ん中に わたし が 在る

 

 和尚さんのお話を聞きながら、幼い頃、お庭でみみずさんと遊んだことを思い出しました。好奇心いっぱいの幼い私は、みみずさんと遊んでいるうちに。。。不思議で不思議で・・・なんと残酷なことをしちゃったんだろう~。みみずさんに会うたびに、思いだしては"ごめんなさい" でした。
 みみずさんは大切なことを幼い私に教えてくれたのですね。私に必要なあの時に、私の心にちゃんと備えてくれたのですね。だから、あの時も あの時も あの時も・・・ただ、ただ、歩き続けることができたのですね。 
 あれから60年経った今、みみずさんは私の仏さまになりました。
  これからも ずーっと心に残っていく 尊いいのち
  みみずさん ありがとう
  お空さん  ありがとう
  ありがとう おかげさま  ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆

ブリリアントに入居して半年

小柳津昇久(寮生60歳)

 以前、畑にゴーヤ、ナス、ピーマン、ミニトマト、ジャガイモ、その他の野菜のたねを蒔きました。9月22日に、ジャガイモ、カブ、その他の野菜の種を蒔きました。お世話人さんのお孫さんの高ちゃんと進ちゃんが楽しそうに、ゴーヤ、ナス、ピーマンを収穫していました。
 畑の水まき、掃除、犬の散歩、風呂掃除、研修ノート、ラジオ体操、料理の当番などがあり、自分は造船サービスの会社に勤めており、朝7時~夕方5時まで働いているので、当番制は疲れますが、頑張ってやっています。その他、太鼓の練習など、いろいろな行事があります。
 10月19日~20日はブリリアントに入居して初めての一泊旅行なので楽しみたいです。

血糖値を侮るなかれ!

杉浦 依和夫(支援者・ヨガ講師)

 糖尿には、甘いもの、白砂糖、化学的調味料などを摂らなければ、大丈夫だろうと思っていたのが、それだけではいけなかった。自然食品の菓子といえども、ショートニング入り菓子、マーガリンそして焦げ茶色に焼かれた揚げ物(厚揚げ、あぶらげなど)を何気なしで余計に摂っていたのが、この糖化によって血糖値アップに納得した。

 糖尿病は1世紀前にインスリンが発見されるまでは、まったく原因は知られていなかった。インスリンは膵臓のランゲルハンス島といわれる細胞で造られるが、このホルモンが不足したり、その働きを弱め、破壊する物質が生じたりすると、細胞がブドウ糖を利用できなくなって血液中のブドウ糖が増加・過剰になって、尿中に排泄されるようになる。ブドウ糖を利用できなくなった細胞は代わりに脂肪やタンパクを燃やしてエネルギーを得ようとするが、その結果中間代謝産物のコレステロールやケトン体が増えて酸欠症になり、急性の場合は昏睡に陥り死に至ることさえある。

 症状よりも合併症がこわい。脳卒中・心筋梗塞・腎不全・網膜症・肺結核・肝炎・胆のう炎など病気が出てくるのである。
医学的に言われている症状のほか、手足のしびれ、視力低下、皮膚がかゆい、できものができやすい、異常食欲、神経痛がでたら疑ってみる必要がある。
 別名ぜいたく病といわれるほどであるが、また遺伝的素質が大きく影響すると言われるが発病するかしないかは、その人自身の生活の仕方によるから、過食偏食しないこと、ビタミン・ミネラルが多く、酸アルカリ、陰陽のバランス食、運動不足にならないように心がける。心を安定させ、くつろがせて、いつも深い呼吸ができるようにしてストレスの害を受けないようにすれば心配はないと、ヨガ医学は説いている。
 治療法は、インスリン注射が常識になっているが、根本的解決ではない。

 ヨガの「他物にはできるだけ頼らず、自己の自然性回復能力を呼び起こすことによって治す」という考え方だ。近年は、むやみやたら処方箋によって命を縮めることが、ようやくにして喧伝されつつある。

 ショートニング、陰陽食について補足しておきます~
 ショートニングは油でパン、ビスケットなどに使われているが、これには、トランス脂肪酸が主原料です。トランス脂肪酸は自然界にないもので人工的に作られた油です。サラダ油に水素を添加して固形化したもの、この固形化した40%がトランス脂肪酸である。これをが添加物として入っており、口当たりがよくサクッとするのである。
 これを摂りすぎると動脈硬化・心筋梗塞などのリスクが高まり欧米では禁止添加物になっている。
 こんな自然界にないものを細胞が取り込むと細胞膜を壊し硬化してしまう。子供さんや、ペットのおやつにも注意したい。もちろん、成人も過ぎないようにしなければならないし、早急に禁止物に指定すべきものでしょう。
 恐らく、ガン・ED・心臓病・糖尿病・脳血栓などの循環器系病や認知症・女性の胎児への影響も拘わる原因でもあろう。
 陰陽食とは、陽電子(+)と陰電子(-)の食物をバランスよく摂取することで、自然食やマクロビオティックなどと一線を画す。いずれ詳しくは紹介したいと思います。

運動会の盆踊りに参加して

兵藤なつき(支援者・34歳)

 ブリリアントを卒業して1ヶ月が過ぎた9月29日(日)。今年は支援者になって初めて磯辺校区の運動会で盆踊りに参加させていただくことになりました。
 実家への引っ越しも落ち着いてパソコンから動画を再生させて豊橋音頭の練習をしました。本番当日の22日(日)の天気がどうなるか気にしなかったら覚悟が欠如しました。予備日の29日(日)まで延期になりそうだと思いながら(?)もNHKの番組を見るたびにデータ放送でチェックをしました。
 そして29日(日)を迎えました。私が住んでいるマンションは塗装工事のため外壁に薄いシートが掛かっています。その状況でやるべき事をやるところでうわさの電話が入りました。話によると開催すると聞きました。私はうわさを信じて豊橋公園の近くの実家から汐田橋のバス停まで歩いて磯辺小学校までバスを使いました。たくさん歩いたのでそして時間にルーズなので踊れるか不安になりました。そして協調性も欠如しているので。
 入場が始まり小中学生も集まってきました。私はときどき空を見ながら磯辺音頭・豊橋音頭・とんとん唄を踊りました。体の力が抜けて気持ち良く踊れました。
 昨年会えなかった人と会えて駒形町の人達が声をかけて私は豊橋公園の近くの実家に離れてしまったけど心と心で繋がっていると思いました。

インドネシア珍道中(後編)

内田里枝(世話人)

信仰の島、バリ島
 次の朝、ガイドさんが迎えに来てくれるまでの時間、私達は町を探索した。どの家の前にも石で出来た、日本で言う仏壇のようなもの、があり、花や食べ物やお線香が供えてあった。そしてよく見かけるのが割れ門(真ん中が割れて左右に分かれている石の門)で、何でも善と悪とを表しているのだそうだ。これは至る所にあった。古い石像もアチコチで見かけ、それらどれもが苔むしており町全体がさながら美術館のようであった。

バリ島の町でよく見かける割れ門

バリ島の町でよく見かける割れ門

ジャングルの中のウブドホテル
 ガイドさんの車で次の目的地に向かった。町を通り抜け、田舎道をひたすら走ること1時間。田園風景が広がり、それが今度は森の中のジャングルへと変わり、「え!すごい所へ来ちゃった。」と思っていたら、そこが今日の宿泊地、ウブドホテルだった。その大自然のジャングルの中に茅葺きのような建物がいくつもいくつも建っていた。バンガローみたいと思いきや、部屋に案内されて入ってみると豪華な雰囲気のシックな佇まいで、ベッドには天蓋も掛かっていた。「なんかお姫様になったみたい。」私達は顔を見合わせ微笑んだ。この日はもうアルマ美術館は時間的に無理と言うことで、まずはホテルでランチを食べることにした。訳も分からず、いいかげんに注文したら2食分もありそうな豪華な食事が運ばれてきた。美味しかったがとても食べきれず、残りは部屋に運んでもらって夕食として食べてもいいということになった。
 このホテルではスパがおまけに付いていた。自分の好みのアロマオイルを選んでマッサージをしてくれる。「服脱いで、ビキニはいて、ゆかた着て」現地人のおばさんがたどたどしい日本語で指示してくれる。花を浮かべた良い匂いの足湯から始まり、1時間弱だったがていねいにオイルマッサージしてくれて、私達は今までの疲れが吹っ飛んだ気がした。
 部屋に帰り窓の景色を眺めながらくつろいでいると、まさしくここはジャングルの中だった。サルが木に登ったり降りたり、飛び越えたり気をユサユサと揺すったり、サルの楽園といった所だ。「ひょっとするとこのベランダにも来るかもしれないね。」洗濯物を干していた友人は心配顔になった。蚊の攻撃も心配していたが、さすがのホテル。蚊取り線香を焚いただけで大丈夫だった。

アルマ美術館
 次の日、私達はタクシーでアルマ美術館に向かった。自然豊かな大きな森の中にそれはあった。説明をしてくれるガイドさんがいて、カタコトの日本語でずっと一緒に美術館の絵や、外の公園の案内をしてくれた。その後、目的のバリダンスを見る予定だったのだが、あいにく今日は休みの日になっていて私達ががっかりしていると、すかさずガイドさんが「ケチャックダンスはどうですか?」と誘ってきた。

ケチャックダンス
 ケチャックダンスとは、男性が上半身裸で下半身は腰巻きをつけて「チャッチャッチャッ」とサルの鳴き声を真似て踊るものだ。友人は芸術に結構うるさく、バリダンスでも王宮で踊る上品なものを期待していただけに「サルの踊りじゃな...」とがっかりした様子だった。しかし入場料も少し勉強してくれ、あまりの熱心さに根負けしてOKを出した。それもそのはず、そのガイドさんは夜はケチャックダンスのダンサーでもあったのだ。
 お城のような建物の前が広場になっていて、そこでかがり火が焚かれ満月が明るく私達観光客を照らしていた。やがて100人くらいの男性のダンサーが登場し、円陣を組んだ。

100人くらいの男性のダンサーによるケチャックダンス

100人くらいの男性のダンサーによるケチャックダンス

 皆座って「チャッチャッチャッ」と歌い出した。体を揺すったり動かしたりしながら。そこへ舞台の城の中央からバリダンスの女性が現れ、円陣の真ん中に来て踊り出した。とても優雅で美しかった。このダンスは物語になっているようで、そのあとも王様のような男性が登場したり鬼が現れたりした。これだけのダンサーが集まるということは、この町全体の男性がダンサーなのかもしれないなと思った。あまり期待していなかったケチャックダンスだったが、優雅な女性の登場もあったりして「まぁまぁだったね。」とつぶやきながら私達は帰りのタクシーに乗った。

ロイヤルビハマタホテル
 次の日、もうこの日は最終日で空港に行かなければならない。しかし友人はもう一度アルマ美術館に行きたいと言いだした。昨日美術館の近くの店で見つけたレースのブラウスにどうも未練が残っているらしい。それと最後にもう1ヶ所立ち寄りたい場所があったのだ。それはロイヤルビハマタホテル。超高級ホテルで、宿泊したら目玉が飛び出そうな価格。とても泊まることはできないが、せめてロビーでコーヒー1杯飲むだけでも価値がありそうなホテルなのだ。アルマ美術館に行く途中、タクシーの運ちゃんに無理を言って立ち寄ってもらった。結局その無理がたたって帰りは約束したタクシーが来ず、また心臓が止まりそうな事件になるのだが...。

ホテル前の彫像

ホテル前の彫像

 ビハマタホテルのロビーは眺めといい、調度品の素晴らしさといい、実にステキでウブドホテルもかすんでしまうくらいだった。上品でしっかりした日本語の話せるスタッフもおり、一流というのはこういうことなんだと実感した。時間があればもう少し高級感にひたっていたかったのだがイジの悪そうなタクシーの運ちゃんがあまりにせかすので、私達は注文したコーヒーもろくろく飲めず、ビハマタホテルを後にした。

タクシーが来ない
 再びアルマ美術館に着き、昨日見たレースのブラウスの店に行った。このレースのブラウスはインドネシアではフォーマルドレスに当たり、お葬式、お祝いなど、格式のある場所で着る物のようだった。値段も結構高く、サッと購入するには少し勇気が要った。迷いに迷ったが、私達はあきらめて他の店を探すことにした。いろいろな土産物屋さんも見て回ったり、昼食を食べたりしているうちにアッという間に時間は過ぎ、ホテルに帰らなければならない時間になった。予定ではこのあとアルマ美術館の門に、午後2時にタクシーが迎えに来てくれることになっていた。ところが来るはずのタクシーが待っても待っても来ない。慌てて友人は新兵器を取りだしてホテルに連絡しようとしたが、場所が悪いのかなかなか繋がらない。美術館の受付に走って行って頼んでみても意味が通じないのか、チンプンカンプンで困り果てていた。そうこうするうちに何人かいる美術館のガイドさんの中の1人が親切な方で、知り合いのタクシーの運ちゃんに連絡してくれて、やっとホテルに帰れることになった。私達はやっと生き返った気がした。

友人とのツーショット

友人とのツーショット

テロに巻き込まれる
 空港行きのタクシーが来て、「これでやっと日本へ帰れる。」そうホッと胸をなで下ろしたのもつかの間、また雲行きが怪しくなってきた。デンバザール空港に近づいて来たら運ちゃんが「今日は空港にVIP(重要人物)が来ているので少し離れた所に車を停めます。」と言う。「えっ?誰が来ているんだろう。」そう思いながら車を降りると、辺りは異様な雰囲気。自衛隊のような制服を着た警官や消防士で広場は埋まっており、煙が立ち込め、遠くには火の手も見える。ウ~ウ~と消防車の唸る音が辺り一面に響き、乗客達は不安そうな顔で立ち往生し、ウロウロするばかり。「テロだ!これはテロだ!」誰かが叫んでいた。飛行機にも乗れず、その場を動くことも出来ない私達にペットボトルの水が配られ、まだまだ時間がかかることを暗示していた。いったいいつまでここに足止めされるんだろう? 不安はますます増すばかりで皆イラ立っていた。
 こんな事態になっても友人は、「こういう時こそしっかり腹ごしらえしなきゃ。」とリュックの中を探し、スーパーで仕入れた食料の残りをあさって食べていた。そして「テロに出遭いたいと思っても遭えるものではないのに私達はラッキーよね。」と、カシャカシャ写真機のシャッターを切りまくっていた。なんてたくましい人なんだろう!と私は感心もし、おったまげた。
 何度目かの水が配られ、2、3時間経っただろうか。やっと治まったのか動きが出てきてジャカルタ行きの便に乗ることができた。しかし、ジャカルタには着いたが、そこから日本へ帰る便がもうその日は終わっていたのだ。「このまま空港で夜を明かすのか.....。」
 私達はドッと疲れが出て来た。日本の中部国際空港に飛ぶ便が1日1便しかなく、結局次の日の夜まで待つことになった。こういうことも時々あるのか、事件を聞いてやって来た観光会社のスタッフが手際良く私達旅行客をその日泊まるホテルに連れて行ってくれた。空港から20分くらい走って大きなホテルに着いたが、周りは田舎で何も無いヘンピな所。ホテルも食堂があるだけで土産物の売店も何も無かった。私達は「まぁ~空港のソファーで寝るよりましだ。」とぶつぶつ言いながらそのホテルに1日缶詰になった。そして1日遅れでやっと日本へ帰ることが出来たのだった。
 私はこれまで何度も海外旅行に行ったが、これほど日本が恋しく、早く帰りたいと思ったことはなかった。そして、改めて日本の素晴らしさ、ありがたさをしみじみと感じたのだった。

行事報告 令和元年7月~9月

7月
7/3 (水)「ブリリアント」慰問(珠藻荘)
7/6 (土)畑の仕事・片付け作業、呼吸サークル(文化会館)
7/13(土)畑の仕事・片付け作業の続き
7/20(土)畑の仕事、たけのこカフェ、花火大会
7/27(土)畑の仕事、事務所片付け
7/28(日)曽我先生カウンセリング
7/30(火)古い家電の片付け作業

8月
8/1 (木)兵藤なつきさんお別れ会
8/3 (土)太鼓の練習(さくらピア)
8/5 (月)担当者会議(ユアケミスト)
8/7 (水)七夕祭り
8/10(土)海水浴(浜名湖女ヶ浦海水浴場)
8/16(金)グループホーム「たけのこ」にて盆踊り参加、太鼓演奏応援
8/17(土)畑の仕事
8/24(土)畑の仕事、太鼓の練習(さくらピア)
8/25(日)畑の仕事(ジャガイモ植え付け)、海水浴(浜名湖女ヶ浦海水浴場)、
      曽我先生カウンセリング
8/31(土)豊障連夏祭り・太鼓演奏(さくらピア)

9月 9/1 (日)曽我先生カウンセリング
9/7 (土)「ブリリアント」慰問(若菜荘)、呼吸サークル(文化会館)
9/8 (日)ボランティアグループふれあい講演会(あいトピア)
9/14(土)畑の仕事
9/15(日)誕生日会
9/18(水)「ブリリアント」慰問(豊生ライフ)
9/21(土)畑の仕事(冬野菜種蒔き、植え付け)、太鼓の練習(さくらピア)
9/29(日)磯辺校区運動会、曽我先生カウンセリング

ブリリアントにご協力いただいた方々

北川藤良様、鋤本恵美様、澤田竜弥様、杉浦依和夫様、宇野和男様、森下昌洪様、曽我洋秀様、佐溝力様、山口京子様、井上浩様、菅谷君男様、豊橋善意銀行様、カリオンビル様、豊橋市社会福祉協議会様

ブリリアントにご寄付下さった方々

河合きほ様、河合邦明様、伊藤洋様、塩の谷真弓様、金原光昭様、金原博昭様、金原康純様、澤田竜弥様、山本小夜子様、稲村絹代様、畔柳様、吉田様、白井様、佐溝力様、天野裕子様、立岩清様、曽我洋秀様、鈴木静子様、北川藤良様、鋤本恵美様、珠藻荘様、山口京子様、藤井様、黒木武秀様、珠藻荘様、豊生ライフ様、デイサービスセンター和様、豊橋善意銀行様

いろいろとご協力、ご支援ありがとうございました。

編集後記

 10月1日発行の予定が遅くなりまして、現在台風19号通過の最中に編集まとめを行っております。この号が届く頃には遠くへ去っていることと思われますが、被害の無いことを祈っております。おそらく今後は毎年大きな台風が来るようになるので、しっかり備えてゆきたいと思います。

伊藤 剛

 先日、孫の保育園の運動会を見に行ってきましたが、鼓笛隊や徒競走、リレー、遊戯、体操など、孫達が一生懸命に頑張る姿を見て、感動のあまり涙が止まりませんでした。先生方、孫達をこんなにも成長させて下さってありがとうございました。

内田里枝
↑ PAGE TOP