レッツ ブリリアント 2008/09 第34号

発行者
精神障碍者社会復帰施設
特定非営利活動法人(NPO法人)ブリリアント 施設長 内田 秀司

住所 〒 441-8145 豊橋市駒形町字坂口56番地
TEL 0532-46-0033
FAX 0532-46-0163

URL http://brilliant-gh.sakura.ne.jp/

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平成20年9月1日発行

真夏のブリリアント祭りを終えて

施設長  内田秀司

 真夏のブリリアント祭りも大成功に終わりました。近くの駒形神社から吹いてくる風も心地よく爽やかな充実感に満たされています。今度のお祭りで、如何に多くの人達がブリリアントを支援して下さっているのかが分かりました。

 盆踊りを教えて下さった中島先生とその生徒さん達、盆踊りの太鼓の指導をしてくださった菅谷先生とそのグループ「希望(のぞみ)」の人達、毎年フラメンコショーでお祭りを盛り上げて下さるスタジオ アジュンの皆さん、それから会場作りや模擬店を受け持って下さった東海起業、東海有機の社員の方々、また浴衣や甚平でお祭りに参加して下さった近所の人達や一般の方々、それから色んな方からご寄付も頂きました。

 本当に皆様方のご協力があって、始めて出来たお祭りなんだなと思わずにはいられません。ただただ、感謝のみです。ありがとうございました。

 また来年も夏祭りに燃えたいと思って居ます。今後ともブリリアントにご支援ご協力をよろしくお願い致します。

菅谷先生に見た真実の男らしさ

宇野和男(寮生43歳)

 ブリリアントの音楽サークル“スターダスト”は私が入居する以前からあったらしいが、この7年で急成長した。舞台度胸、他施設の方達との接触機会の大幅な増加、試練と喜び、いろいろな物をこの活動からもらっている。

 思い返せば、これもたくさんの人の協力で始めてなしえた事業であると私は思う。「ブリリアント」の看板を作って下さったり、音響機器を丁寧に毛布でくるんで渥美半島の先端にある施設までも運転して運んで下さった、今は亡き平井さんの存在も大きかった。また、この慰問の精神的姿勢を現実の目で警鐘を鳴らし続けてくれた緑綬褒章を受章された琺瑯看板研究者でもある豊川の佐溝さんとの別れ、そしてコンピューターを駆使してMIDI音源の曲をたくさん作ってくださった、杉本監督との別れも大きな打撃だった。そうしてブリリアントの活動が全部オリジナルになってきた時に、「和太鼓という手もありますよ。」と3年前くらいから時々ブリリアントに来て下さっているフレンドハウスの所長の菅谷先生との縁が始まり、時々特訓して下さっている。覚えた曲は、「太鼓ばやし」「龍神太鼓」「新豊橋トントン踊り」「豊橋ノンホイ踊り」「マツケンのええじゃないか踊り」などぐんと増えた。菅谷先生は練習の時はまず自信のなさそうな人にくっつき、手取り足取りで教える。また少しまとまってくると、最初から終わりまで連続で叩いて体でしみこむように練習させる。

 今年のブリリアント祭りでは、始めて菅谷先生が指導されてる和太鼓サークル・希望(のぞみ)とのセッションで大太鼓3台、全9人で壮大な和太鼓演奏を演奏した。先生は、ある時はマイクに向かってしのぶえを吹いたり、リズムをきざむ小太鼓をあえて大太鼓で腹に響くスケールで叩いてみんなを鼓舞した。また途中から先生も演目の中に加わってこられたり・・・そしてその全体の成功を見て、これが男ぞ!!と言わんばかりでした。その姿を自分の太鼓をたたきながら見ていた私と目と目があい、宇野君これが男だぞ!と訴えていた圧倒的なこの菅谷先生の男のスケールの大きさにしびれまして、知らないうちに全力で和太鼓を叩いていました。

 演目が終わるとさっとかたづけられ、いつでも帰れるようにした後で、余韻にふけってられておられたと思います。失敗はつきもの。完全にたたけられればとっくにプロデビューしています。私たちが目指す物は障碍者といって社会から構成員ではないと烙印を押されても、音楽活動ではそんな抑圧を跳ね返すように活動出来る。そういった精神面に重きを置いている。私も途中でばちを落としたがすぐ拾って何気なく続けた。専門家が見れば途中で帰ってしまうかもしれないが、草の根の我々は失敗の恥ずかしさと、叩ききった自信の両方をかみしめつつ汗流したと思う。これからも “和太鼓で男になるか!!” “はいお願いします” と付いて行きたいと思います。菅谷先生本当にありがとうございます。これからもどんどん鍛えて下さい。よろしくお願い致します。

ガード下でブリリアント祭り

ガード下でブリリアント祭り

朝の畑は洪水だぁ!

伊藤剛(寮生46歳)

 ブリリアントの野菜畑には、毎朝水をまきます。サトイモの葉っぱからじゃぁじゃぁと水が地面に落ちると、あちらこちらからハサミムシが出てきて、「うわぁ!今朝も大雨だぁ!」「気象庁は何をやっているんだ!?」などと声を上げながら逃げ回ります。茶色に濁った泥水に押し流されながらも、懸命に泳いで逃げていきます。陸地に泳ぎ着くと、急いで隠れ場所を探しています。気の毒ですが、水をまかないわけにはいきません。

 また、冬瓜のツタの間からは、黄色くて小さなコガネムシの仲間が、黙々と逃げて行きます。フェンスに伸びたヘチマの辺りにはモンシロチョウやスズメバチ、トックリバチの仲間らしい蜂もいますが、彼らは飛べるのでさほど被害は無いようです。水が直接体にかかっても、平気で飛んでいます。プチトマトの枝には、カナブンに似た甲虫の仲間が大勢寄り集まって実を食べていますが、彼らも大雨はそんなに気にならないようです。

 ハサミムシに次いで気の毒なのは、ネギの間に居るショウリョウバッタの子供達です。なぜか大きな親は見あたりませんが、体長3センチぐらいの小さなショウリョウバッタ達が右往左往して逃げ回ります。毎朝毎朝、親と離ればなれになってしまうのかもしれません。地面の上には、灰色の小さなクモたちも居て、彼らも大水で流されてしまいます。  

 野菜畑を一人で面倒を見てくれている寮長の鈴木さんは、農薬を使わないのでこんなにたくさんの虫たちがブリリアントの畑には居るのだと言います。農作物にとっては害虫かもしれませんが、水まき当番の僕たちには楽しいひとときです。虫たちにとってはいい迷惑でしょうね。

ブリリアント(Brillant)の名前の由来

 ブリリアントは、英語のブライト(輝く)より(もっと光り輝く)という意味です。 これは、施設長の友人であるワシントン大学の井上教授がつけてくれました。

夏のブリリアント祭り

匿名希望

 今年から11月に行われていたブリリアント祭りが8月に変わり夜店感覚での楽しい祭りとなりました。

 この日は、朝から大忙しでAM11:00ごろからおにぎり作りがはじまりみんなてんやわんやでそれぞれの役割をしていました。

 それでもなんとか無事に終わり昼ご飯を食べてしばらくゆっくりしていて私は、PM14:00から浴衣を着ることになっていたので準備をしていました。PM15:00ごろに23号線バイパスの高架下の会場に着き「暑いのは嫌だなぁー.」と思っていましたが、着いたら涼しい風が吹いていて気持ち良かったです。

 今年の祭りの見どころは、盆踊りで、踊る曲目も、炭坑節、新豊橋トントン踊り、のんほい節、マツケンのええじゃないか踊りと4曲を踊りました。

 またこのために月に1度、和太鼓クラブ希望(のぞみ)との合同練習を行い本番になりました。失敗するかなと内心ちょっとひやひやしていましたが、曲と太鼓が合っていたので盆踊りも楽しくできとても良かったです。この盆踊りも7月の中旬から練習して覚えるまでに苦労しましたが、自分なりに踊れたので最高でした。

 踊りを教えて下さった先生方も一緒におどってくれて始めのうちはぽつりぽつりしか踊りの輪に入ってくれなかった人達もしだいに輪の中に入ってくれるようになり最後の方ではみんな一つになって良い雰囲気の中で終わりました。

 他にも演目として希望(のぞみ)との唄のセッションの最終確認とか、太鼓の役割の確認とかしました。

 スターダストは今年は出演のコーラスを全部やめて、ソロだけの発表となりました。私はとても大切な、そして去年のブリリアンント祭りでも歌った、とても大好きな、そして、とても大切な今井美樹さんの「潮騒」を練習しました。そして本番でも最後の方はぐっと涙が出てきそうになりましたが何とか無事歌うことが出来ました。

歌唱の発表

歌唱の発表

 あっという間にブリリアント祭りも終わってしまいましたが、盆踊りも楽しかったし、浴衣を着ての参加も始めてで嬉しかったです。来年もまた夏にブリリアント祭りを行って欲しいと思いました。

私の入院

竹内艶子(寮生63歳)

 暑い日が続く中、健康診断の用紙が来て個人のクリニックに行きました。心臓の音がざわざわするので検査をしてもらうようにと言われました。ブリリアントから歩いて20分の所にハートセンターがあります。そこで診てもらったら、心臓の入り口がふさがっているというので手術をするようにと言われました。

 私は、母が痴呆症で入院しているのに私まで体が悪くなってしまって、心が真っ暗になりました。それで手術の先生と話しをしたら状態が悪く、あと一年の命と言われました。手術をすれば20年~25年生きられると言われました。私は手術を受けることにしました。8月20朝9:00が手術の時です。日にちが近づくにつれ怖くなって気分が悪くなります。

 先生は、「手術は成功する」と言ったので信頼をして、先生を信じて麻酔を打たれようと思っています。

 私は、ブリリアントにはいられないかと思ったら奥さんが「部屋は空けるからね」と言いました。私は奥さんの優しさに涙が止まりませんでした。また、ブリリアント祭りも出ることができず、みんなと活動ができなくて悪いと思っています。入院期間は2週間です。  

 明るい笑顔でブリリアントに戻ったら「ただいま」と言って帰りたいと思います。ブリリアントのみなさんにジェニーの散歩や水撒きなどできなくて迷惑がかかりますが、退院したら元気よくがんばって暮らしたいと思います。

ブリリアント祭り

藤田一夫(寮生59歳)

 私が入所してはじめて8月9日(土)夏にブリリアント祭りを行いました。 今まで晩秋にやっていたのですが、会場が風の強いところで大変寒かったのを覚えています。

 夏に行ったのにはブリリアント祭り実行委員長内田貴士専務さんの盆踊りを主体とした狙いもあったように思います。冬は寒いけど夏の暑い季節に風があったので夏に行ったのは良かったと思います。食べ物の販売を少なくしてかき氷を出し、ボランティアで教えてくれる盆踊りの女性の先生方8名ほど来ていただいて先生方の間に来客者が入る形で盆踊りの音楽とスターダスト有志と支援者の太鼓のお囃子で踊りました。もちろん終演近くにブリリアント祭りの呼び物のフラメンコショーもありました。ブリリアント祭りは催し物が盛りだくさんで朝11時から夜8時頃まで行いましたが大成功のうちに終わりましたが、こういうお祭り1年一回でもみんなの心が一つになれる催し物があるのは絶対必要だと思いました。

ブリリアントの戦士達

内田里枝(世話人)

 ブリリアントでは今年初めて真夏に「ブリリアント祭り」を行いました。 最近のブリリアントの寮生の活躍は目覚ましいものがありますが、今回も素晴らしかったです。

 菅谷先生から盆踊りの太鼓の指導を受け、毎晩「ドン、ドン、カチャカチャ」と練習に余念がありませんでした。

 盆踊りは中島先生とその生徒さん達が駒形公民館に何回も足を運んで教えて下さいました。太鼓を叩いたり、踊ったり、汗だくだくの練習でした。 当日は天候にも恵まれ朝から音響のセッティングや130個のおにぎり作りでテンヤワンヤです。

 PM3時半に剛君の名司会でブリリアント祭りは幕を開けました。和男君の音響は今回もプロ顔負けです。Jちゃんと支援者のなつきちゃんは浴衣姿にたすき掛けといういでたちで盆踊りの太鼓を叩いたり、踊ったり、ソロを歌ったりとフル回転でした。甚平姿でギターを弾いた藤田さんは、くじ引きコーナーで毎年頑張っている光雄さんの手伝いをしてくれました。寮生達は皆120%の力を出してくれたような気がします。

 夜の8時には全て終了し、片付けが始まりました。大事な音響機材だけはすぐブリリアントに持ち帰りあとの片付けは次の朝6時に現地集合と言うことになりました。

 ブリリアントに帰った戦士達は疲れてはいても、しばしお祭りの余韻に酔いしれていました。「あれがどうだった、こうだった。」と話しは尽きず、しかし大成功に終わった充実感は他に例えようもなく、寮生達は幸せの絶頂にいたと思います。この幸せ感を味わうことが大事なことなのです。

 次の朝、疲れて誰も6時には現地に行かれないと思っていたのですが1人現れ、2人現れ、皆起きてくれました。

 現地に着くともう会社の人達は片付けを始めていました。寮生達も、のぼりを片付けたり舞台を解体する手伝いをしたり頑張りました。

 1時間ほどで全て片付き、ブリリアント祭りはやっと終了と言うことになりました。本当に素晴らしいブリリアント祭りでした。

 朝食のパンとコーヒーを飲みながら「また、来年も夏祭りがいいね。・・・」もう戦士達の心は来年のブリリアント祭りに飛んでいました。

「たいがい、たいがい」

森下昌洪(岩倉市在住、60代)

 僕がよく買う、豊橋の麹屋の奥さんと金山寺ミソの作り方について話した。自分流の作り方で、椎茸、シソの実を入れる人もあると言っていた。 基本的には、人参、ナス、ショウガ、ゴボウがベースだ。後は醤油とみりんを入れる。素材の量と味付けの醤油とみりんの分量は全て「たいがい、たいがい」でいいと言った。

 麹屋の奥さんの頭の中には決まったマニュアルはないのだ。文化センターの料理教室ではこんないい加減では、生徒はパニックになってしまう。教える側としては全てマニュアル通りでなくてはいけないのだ。野菜の刻み方から醤油、みりんの量とか、食べ方まで教えてくれる。

 神経を使い果たして、その通り作っても成功するとは限らない。食べる人の舌は各人違うからだ。麹屋のおばさんの「たいがい、たいがい」でいいと思う。

行事報告

7月

7/8 (水) [ブリリアント]慰問 (福寿園)
7/12 (土) 映画会(早咲きの花)
7/13(日) 講演会(山本加津子さん)(カリオンビル)
7/17 (木) ブリリアント会議
7/19(土) 花火大会(豊川べり)
7/20(日) 誕生会、バーベQ大会、花火大会
7/23(水) 「ブリリアント」慰問(珠藻荘)、盆踊りの練習(駒形公民館)
7/25 (金) 盆踊りの練習(駒形公民館)
7/27(日) カラオケ大会
7/29(火) 太鼓の練習(菅谷先生、さくらピア)

花火大会(豊川べり)


8月

8/2 (土) カラオケ大会
8/3(日) 夏祭り(銀の家)
8/5(日) 太鼓の練習(菅谷先生、さくらピア)
8/6(水) ピアノコンサート(東陽地区氏民館)
8/9(土) ブリリアント祭り(23号線バイパス高架下広場)
8/14(木) 潮干狩り(女ヶ浦海水浴場)
8/15(金) カラオケ大会
8/16(土) 盆踊り大会(グループホーム たけのこ)
8/17(日) ブリリアント会議

* 毎週木曜日夕方PM6:30 よりお話会を行なっています。一般の方も参加自由です。ぜひお越し下さい。 TEL0532-46-0033までお申込み下さい。

ブリリアントにご協力いただいた方々

曽我洋秀様、河原正市様、長尾喜吉様、菅谷君男様、和太鼓グループ希望の皆様、フラメンコスタジオアジュンの皆様、森下昌洪様、清水伸太郎様、白井千雄様、中島玉世様と門下生の皆様、橘様、稲地扶美子様、あいトピア様、豊橋善意銀行様、有機デリバリーサービス、東海起業(株)、東海有機(株)

ブリリアントにご寄付くださった方々

ヤマコ包装資材(有)様、筒井電気工業所様、坂本ヨリ子様、横山皮膚科様、岡林園様、神野建設様、マダム芳江様、万久商店様、河原正市様、白井千雄様、兵藤昇様、清水伸太郎様、山口京子様、北川藤良様、佐羽尾様、伊藤洋様、山本良美様、鈴木静子様、森下一良様、神谷様、藤井様、川口様、金原光昭様、金原康純様、黒木武秀様、河合邦明様、内田知様、内藤得也様、溝口こたけ様、山根泰治様、金原博昭様、藤岡利之様、平井商会様、金原秀幸様、曽我洋秀様、菅谷君男様、高田石油様、銀の家様、グループホームたけのこ様、珠藻荘様、豊橋善意銀行様、有機デリバリーサービス様、東海起業(株)東海有機(株)

いろいろとご協力、ご支援ありがとうございました。

編集後記

 毎朝畑の水撒きをしています。AM6:20から50分位かかります。朝顔には水圧を弱くそっとかけますし、里芋の大きな葉っぱには直接かけず、根っこに直接送水します。夏と秋の変わり目がこの時間帯にははっきりしています。都会では絶対みられないアゲハチョウが目の前にいると思えば、蝉の死骸がアチコチにあります。トンボの交尾も盛んです。また、金魚が7年目の今年死にまして、子供のヤブ蚊が大量発生しています。自然をこんなにも身近に感じられる私はこのブリリアントに入居出来て本当に幸せだなあと感じます。

寮生 宇野和男

 夏の盛りのブリリアント祭りも終わり、寮生一同ほっとしています。しばらくは夜に行っている歌や太鼓の練習も無いのでのんびり過ごしています。オリンピックの中継に見とれてしまう夜が多いです。これからは、秋の慰問に備えて、また、歌の練習を一生懸命していこうと思っています。

寮生 伊藤 剛

 レッツブリリアントの編集もこの頃は、高度な技術を導入し、スマートな仕上がりになってきました。これも寮生が日々努力し前向きに生活している成果だと思います。新聞を読んだ感想などをいただけますと、より一層意欲が湧いてきますのでどうぞよろしくお願い致します。

世話人 内田里枝

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