レッツ ブリリアント 2004/04 第14号

発行者
精神障碍者社会復帰施設
特定非営利活動法人(NPO法人)ブリリアント 施設長 内田 秀司

住所 〒 441-8145 豊橋市駒形町字坂口56番地
TEL 0532-46-0033
FAX 0532-46-0163

URL http://brilliant-gh.sakura.ne.jp/

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平成16年4月1日発行

あたり前の人間関係

森下昌人(一般:50代)

 ちょっとでも傷つく事を恐れて、内にこもってしまう若者が増えている。何をするにも極度に他人がどう思うか、気にしてしまう。そんな事では自分の意見を素直に伝えられないと思う。この間も行きつけの喫茶店で、「新聞を見させて頂いてよろしいでしょうか」と云われた。僕ら団塊の世代の連中ならば、「この新聞いいですか。」位しかしゃべらない。やたらとていねいな言葉で話されると、気持悪い。

 ケータイでやたらと話す間柄の関係も大体察しがつく。たいした内容のある話ではないだろう。自分が話したい事だけを一方的に、ストレス解消のためにケータイを使用している。娘の話を聞いていれば、うわべだけの発展性のない遊びに過ぎない。

 公共の場でやたらと敬語を使う若者たちは人に迷惑をかけている人を見ても、見てみぬふりをするだろう。へたに注意して云い返される事を恐れる。他人のやっている不快な行動を無理して押さえ込んでいる。名鉄電車内で、足を組んで、大声でケータイで話している高校生に注意して殴られた車掌がいた。周りの人達も同じ傾向でケータイを使うので、注意出来ない。不快だと感じられない若者はどんどん自己中心になる。悪い事を注意したり、注意し合う、あたり前の行動をお互いにしないからおかしな若者が多くなる。

霊場巡りは、ヨガそのもの

杉浦 依和夫(沖ヨガ研究家 50代)

 八十八ヶ所霊場巡りのお遍路さんは、この桜咲くころから梅雨入りまでが一番多いのです。近年、心の癒しにとてもよいことが挙げられて、心の病の方、そしてガン患者さんらの心のケアにと賑わっています。身体に障碍ある方も生きる意欲として、生きてきた証としてなどなどの糧でされています。巡り方は自由なのでしょうが、順巡り、逆巡りがあります。一番から順に八十八番を回り、お礼に一番に再び戻り、そして高野山にお参りするのが通例のようです。逆は八十八番から降順に回り、一番の巡礼を終えたなら再び八十八番に戻り、高野山へとなります。参り方は「般若心経」を唱える、お賽銭を上げるとなりますが、二十三番札所・薬王寺では、長い階段があり、その一段一段に自分の年分だけ小銭を置いていく風習があり、さらに登りきった所には、木の小槌で木板を年の数だけ、または煩悩の百八を打ち鳴らすのであります。そして朱印帳に墨書き朱印をもらうことになりますが、これが三百円だそうです。出で立ち姿は白装束に菅笠、鈴の付いた杖に白足袋藁草履なんかいいですね。白装束の背中には「同行二人」とかかれたものを纏い、「弘法大師さんと一緒に」の意があるようです。

 私も徳島に赴任していたおり、休日を利用して自転車や電車・バスを乗り継いだりして五十数ヵ所巡りましてございます。徳島は一番の霊山寺(りょうぜんじ)から二十三番まであり、時計回りに高知・愛媛そして香川の最終番所へとなります。全行程は千四百数十㌔、番所間の距離が長い所では90㌔余、短い所では300mほどだそうです。辿り着くに苦労した寺があります、それは十二番札所・焼山寺(しょうさんじ)です。剣山の山麓・神山温泉を通るその先の過疎の群落の丘にあります。徳島駅からバスで90分、その間には、13~16番札所が散在しています。終点焼山寺口停留所から徒歩120分である。が、公道と別に遍路道90分とありましたから、うっそうと繁った薄暗い木立の中をひたすら足早に歩きました。3月上旬なのに、2・3日前には市内は雪がちらつきました、ここにはかすかに雪が所々に残っています。霜柱は立ち、歩くたびにザクッザクッと踏み込みます。空は鉛り色。平日のせいか人っ子一人いない、熊がでそうで恐い、淋しいこと、この時ばかりは一人になって辛さや苦悶を知り、優しい気持ちになれたような複雑な心境でした..。お寺の登り口階段に近いところで、公道と合流するのですが、大阪ナンバーの車が一台通り過ぎて行きました、この公道は本堂前に横付けになります、たぶん車族の遍路であろう。私が階段を登りつけて本堂に着いたときには、先ほどの車は引き返すのが見えました。私の巡礼した限りでは、みすぼらしいお寺で、接待の食堂のガラス戸は閉じ、朱印所も雨戸がおりたままで、声かけるのもはばかれるような感じでした。早々に退散して、雑貨屋さん前のバス停まで公道を歩きました。徳島行きは、午後は二本です。この雑貨屋さんで、おでん・握り飯を食っておばあちゃんと話しをして待とうかと思いましたが、それにしても時間があり過ぎます。で、村の人で、神山温泉方面に出かける方を探していただき、運よく神山町に向かう軽トラに載せてもらいました。ここ町営温泉に浸かりビールを嗜んだ、旨いこと旨いこと。ほろ酔い気分で午後4時過ぎのバスに乗り込むころは、薄暗くみぞれ交じりの雨にあい、心細さと寂しさが一層募った一日掛かりの巡礼でした。

 弘法大師さんの修行法は、ヨガそのものであると云ったら驚かれよう。真言密教は、ヨガの門の、ハタヨガの一部であります。高野山の根本道場は、「金剛峰楼閣一切瑜伽祗経」に基づいて建立されているのであるが、この瑜伽(ユガ)こそヨガの音読みなのです。まさしくヨガ行者の修行法を云っているのです。その修行法は、山岳修験道にみられるように「難行苦行」なのです。が、この苦行の意味は、“苦しい行”でない、“訓練”という意味にヨガでは解釈されています。さらに云えば、「どんな環境・状況にも適応できる心と体をつくる」ことである・・・と。ハタヨガ門は「体を制御し、心を制御する行法」で、一般に云われるヨガポーズです。この正しい体を造ってこそが、心をコントロールできるのです。めい想で、いきなり精神を深めようとしても、無理というものですから、体を練磨して心を安定しやすいようにすることが目的です。密教では、体験・体得を旨とする、その段階は『練習・訓練・修行』に分けられます。“練習”とは、時間を限定して行なうこと、“訓練”とは、倒れるまで行なうこと、さらに“修行”とは、倒れてもなお、這い蹲い、起き上がって行なうことを云うのである。これが諸道諸芸を習得する最適かつ近道なのです。因みに、ヨガは密教。その対は“顕教”、これは先人の歩んだ道に従って、悟りに近づこうとする教えであります。日蓮も親鸞も密教、道元禅師の言葉「修証一等」もこのことを言っています。“修めることと証しは同じ”先人の指標をなぞらえ、たどるにはありがたく、さらに未踏の地を行くが如しなのです。巡礼は修行の旅であるからして、御利益を求めるようなものではないのもうなずけよう。自己中心的な心持では、けがらわしいことこの上ないのです。祈る、拝む、念ずる、願う、合掌などなどの行為がありますが、決して自己の欲求に繋げてはならないのです。例えば、相手の心をわかろうとする訓練法のことを、ヨガでは“祈り”といいます。相手の欲求・立場を読み取り、相手の心を自分の心にすることです。相手は、人間のみならず、物、仏様、宇宙万物全てが対象です。私はこういうことを学ばせていただくご縁に感謝している次第です。

 私の人生も半ばなりました。時間という列車の刻限にどれくらいあるのかわかりませんが、全生活を修養・修行・修業の場にと思うこの頃です。そのためには、ヨガを一層研鑽しようと己を叱咤激励する毎日です。おこがましいですが、修行といかないまでも訓練を目標に、還暦まですぐそこ、その時、遍路を歩いて巡りたいと念じています。人生の不安と悩みに感謝しつつ。

スターダスト 夢の慰問活動開始

宇野和男(寮生39歳)

 ブリリアントの寮生6名とプロデューサー杉本氏、看板展の佐溝さん、シャンソンを原語のまま歌う森下さん、前くすのき会会長でハーモニカの清水さん、機材運搬の平井さん、司会の内田さんの計12名からなる訪問交歓グループ「ザ・ブリリアント」がいよいよ立ちあがり、去る3月16日、二川の施設「気の里」へ第1回スペシャルバージョン(1:30)を行ってきました。

 私は音響機材の解体・組み立て、運搬と自分の持ち歌、清水さんと藤田さんの時の椅子・マイクセッテイング、佐溝さんの時はなつかしい看板を高く持ち上げたりと大忙しでした。あまりに役目が多く開演とともに頭の中が真っ白になってしまいました。練習でせっかく覚えた歌詞もふっとんでしまいました。

 杉本氏の練りに練った進行表と寮生皆の毎日の猛練習の成果で本番も難なく進んで行きました。私もソロで歌う時は今あるこの幸せを再確認しながら歌っていますが、今回の出演者で一番感極まったのは、前くすのき会会長の清水さんでした。ハーモニカ演奏の間の「短い語り」のときにとても感動的に頑張られました。大きな失敗も無く大成功でした。以下にステージメニューを略記します。

スターダスト全員で合唱:「草津節」、「ソーラン節」、「ウサギとカメ」、「花さかじいさん」、「おもちゃのマーチ」と「おもちゃのチャチャチャ」、「赤とんぼ」、「夕う焼け小やけ」、「ふるさと」、「上をい向いて歩こう」

ソロ:   匿名希望「世界のほんの片隅から」(ZONE)      
       宇野和男「さよならをするために」(ビリーバンバン)
       平林泰代「女…一人旅」    (田川寿美)
       鈴木和 「風」        (シューベルツ)
       藤田一夫「さくら変奏曲」「愛のロマンス」(ギター) ハーモニカ:清水伸太郎 「カラタチの花」、「里の秋」、「旅愁」、「我は海の子」、「思い出」
シャンソン:森下昌人  「幸せを売る男」、「百万本のバラ」、「オーシャンゼリーゼ」

 次回は3月31日で今後は1時間バージョンで行います。私はソロが無くなります。その分裏方で頑張りたいと思います。4月17日の発表まで現在予定しています。内容も少しずつ変えて行きます。新メニューとして「リンゴの唄」「青い山脈」などに取りかかっています。これからも練習三昧になりそうです。

ヨガ教室

世話人 内田里枝

 ブリリアントでは毎月、月初めの水曜日に地下室でヨガ教室を行っている。先生は、この機関紙 “レッツブリリアント” でもおなじみになった杉浦先生。

 まず、全員合掌で「お願い致します」のあいさつをしてから準備体操に入る。これがまた愉快。おなかを抱えて豪快に笑うのだ。「あっはっはっはははワ~ッハッハッハハハ」最初は面白くなくても皆の笑っている顔を見ておかしくなってくる。笑わずにいられなくなる。それで「アッハッハッハ」となる。自分の笑っている顔を見て他の人もまた笑い出すといった具合。しばらくこんなのが続き、ひとしきり笑うと体がぽかぽかしてほぐれてくる。

 次にヨガの簡単な準備運動をしてから基本的なポーズに入る。精神の病気でも身体の病気でも骨のゆがみが原因となって起こるらしい。これを正しくしなければ根本的には病気は治らない。肥満も痩せすぎも同じである。胃腸の具合が悪い場合のヨガ、肩こりがひどい人の場合のヨガ、鼻炎の人には専用のヨガ、又気管支の弱い人の為のヨガなどいろんなバージョンで毎回変えて行っている。結構「コブラのポーズ」など難しいがやってみると気持がいいものだ。最後に電気を消してろうそくの明かりで冥想を5分位して終了となる。

 終わった後は体中のアカが落ちたような、まるで清涼飲料水を飲んだ後のようなさわやかさが残る。最近では寮生も大分健康的になってきた。姿勢も良くなり顔もキリット引き締まってきたような気がする。この冬も風邪引きが少なかったし引いても軽くすんでいる。これもヨガのおかげとありがたく思っている。興味のある方、ぜひご参加下さい。毎月第1水曜の夜7:30から行っています。

僕の新型自転車

鈴木 和(寮生28歳)

 奥さんが出かけていない時仕事場とか買いものをする時に自転車を利用してます。古い自転車はやたら重くて仕事場利用する時はいつも向山アピタの坂道で立ちこぎをして、買いものをする時も立ちこぎをしていましたが今のは、ギアチェンジだけで楽に登れます。新しい自転車は小池のバイパス沿いで母が買ってくれました。今の自転車は右ハンドルのグリップを下に動かすだけでギアチェンジできるのでとても楽です。左ハンドルのグリップは山を上る時だけ動かせば良いと店主に言われました。軽いので長距離の運転も可能になりとても楽になりました。今度の自転車は軽くてそれにまだ乗りなれてなくてブレーキをかけて転んだ事もありました。最近は転ばなくなりました。僕が16歳の頃同じ年でマウンテンバイクに乗っている人がいてとても羨ましかったですけど念願がかない、僕もやっと軽くて丈夫な自転車が手に入りとてもうれしいです。

ブリリアントの新顔ジュンちゃんとジェニー

匿名希望(寮生:20歳)

 ブリリアントではネコのシロ、犬のパンダの他に新しく入ってきたネコのジュンちゃんと犬のジェニーを飼っています。犬のジェニーは奥さんの弟さんが幸公園で拾ってきてくれて、最初はぬいぐるみみたいに、ジーットしていて、おとなしかったのに、今ではぴょんぴょん飛び跳ねるくらいやんちゃになって、ブリリアントに来た時の、あのおとなしさはどうしたのかな?と思うくらいに成長しています。でもたまに凄く賢いところもみせてくれます。ジェニーはひょっとしたら結構賢い犬かも…。

 そして、ジェニーがブリリアントに来てまだ日のたたない頃、今度はネコのジュンちゃんがブリリアントに来ました。ジュンちゃんは竹ヤブの中でミャーミャー泣いてたところを私が見つけ、拾ってきました。最初何処で泣いているのかわからなくて竹ヤブの中を捜していたらバケツの中にぬいぐるみが入っていたので小さいぬいぐるみだなと思って帰ろうとしたら、バケツの中にはいっていたぬいぐるみが、いきなり大声でミャーミャー泣き出したので、えっ?!!まさかな~と思いよくよく見たら、それはまだ、おさない子猫でした。まだ生まれて間も無い子猫が竹ヤブに捨てられてとっても可愛そうだったので、大慌てでブリリアントに連れてきました。連れてきた時は歩くのもままならなかったのに、今ではブリリアントの廊下をダーッと走る位元気になり、あの時そのままほったらかしに帰ってきたら今頃はどうなっていたのか…。でももう少し女の子らしくしてくれたら、うれしいのになと思う事もしばしばあります。だけど、2匹ともすごく成長していて、とってもやんちゃです。

 これからもブりリアントの4匹のペットを大事に育てて行きたいなあと思ってます。また機会があれば第2号も書きたいなあと思っています。それまで楽しみにしていてくださいね。

私のギターレッスン

藤田一夫(寮生:54歳)

 私は今、毎週土曜日にギターレッスンを受けていますが、その先生の先生はクラッシックギター界ではその名の知れた小原せいこ先生です。私はまだ、数ヶ月ですが、これまで自己流でやっていたのを改め、基礎からやりなおしています。3冊ある基礎課程の内今は半分くらいになりました。

 具体的には、ギターコード(和音)を練習して次にアルペジオに進みました。先生が言うにはアルペジオが出来ればレパートリーが増え、ギターがより本格的に楽しくなるそうです。練習方法は私が課題曲のコードを弾いて、同時に先生がメロディパートを、ピアノやマンドリンなどで演奏する形でやっています。二人で演奏しているとまるで自分が完成した曲をひとりでやっているかのように思えてきて満足できます。ブリリアントでは慰問の時にギター担当ですので頑張りたいと思います。

おばあちゃんごめんね

平林泰代(寮生:31歳)

 初めてのスターダスト慰問で気の里にいってきました。昼ご飯を食べて、薬も飲んですぐ行ったので始まってからもあくびばかりしてしまい観客も30人くらいだったので、いざ自分の番になっても緊張はしませんでした。発表が全部終わって3時になっておやつを頂きながら隣のおばあちゃんと顔をあわせるとおばあちゃんが「あんたのケーキ、美味しそうだなあ」といいました。そのおばあちゃんは小さなカステラを食べていました。わたしのピレーネを半分あげれば良かったのかなと思いました。自分の歌は歌詞を見なくても歌えて、良かったと思いました。

ブリリアントにご協力下さった方

稲地様、佐溝様、清水様、杉浦様、杉本様、平井様、りゅうねん寺様、レスポワール様

ブリリアントにご寄付下さった方

北川様、杉浦様、杉本様、豊橋善意銀行様、森下様、小野田様、坂本様、河合様

編集後記

 最近クロスワードパズルにこっています。このあいだは6問くらいまとめて夜遅くまでといていました。なんと英和辞典、国語辞典、世界地図帳をフルに活用しての壮絶なバトルでした。懸賞品のノートパソコンやカラープリンタあたればなあ・・

編集長

 今年の3月より「ブリリアント」一座の慰問活動がはじまり、寮生、支援者共々ワクワク燃えているこの頃です。ナーシングセンター「気の里」と、豊橋ケアセンターの2ヶ所の慰問を行ったのですが、お年よりの方々が「ありがとう。又来てね。」と涙を流しながら喜ばれるのを体験し、一同更に又気を引き締めたところです。

内田里枝
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