レッツ ブリリアント 2003/12 第12号

発行者
精神障碍者社会復帰施設
特定非営利活動法人(NPO法人)ブリリアント 施設長 内田 秀司

住所 〒 441-8145 豊橋市駒形町字坂口56番地
TEL 0532-46-0033
FAX 0532-46-0163

URL http://brilliant-gh.sakura.ne.jp/

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平成15年12月1日発行

ブリリアント祭のご協力ありがとうございました

施設長 内田秀司

 第11回目のブリリアント祭も11月9日に大盛況のうちに終わる事ができました。これもひとえに皆様方のご協力のたまものと厚く感謝致しております。本当にありがとうございました。

 11月9日はちょうど衆議院議員の選挙と重なり、今までになく多くの地域の方々が選挙に行く際に立ち寄ってくださいました。また、天候も雨かと心配していたのですが、曇り空で暑くもなく寒くもなく、又風もなくこれも天のお恵みかと感謝した次第です。

 今年のブリリアント祭はとても充実していました。まず寮生がちゃんと準備段階から役割をこなしたという事です。前日の五平もちやカレーのし込み、又舞台の音響のセッティングなどそれぞれ頑張りました。当日もバザーの売り子や舞台の裏方さんなど1人前に働き、本番のスターダストも半年前からの練習の成果が出てとても立派に出来ました。

祭り前日の五平餅の仕込み

祭り前日の五平餅の仕込み

 多くのブリリアントの応援団の方々、ボランティアの方々に支えられてこそのブリリアント祭、少しづつその輪が広がってきた様に思います。今年は一般の方々からの物品の寄付も数多くありましたし、遠い所からもお手伝いにかけ付けて下さる方もあって、ただただ頭が下がる思いです。スターダストもプロデューサーがついて皆燃えています。どうぞ今後もブリリアントをよろしくお願いいたします。スターダストも暖かく見守っていてくださいね。

スターダストによるコーラス

スターダストによるコーラス

「手作りジャム」

森下昌洪(一般:岩倉市50代)

 僕は暮れから正月にかけて、恒例のジャム作りで忙しい。我が家のストーブは、昔のやつだ。いつでも焼き芋やブリ大根とかの鍋がのっている。普通はやかんが常識だ。このストーブこそジャム作りの為には最高だ。材料のリンゴは、毎年、長野の阿南農場でとれた無農薬のを使っている。ジャム用と云うと傷のついたのをおがくずの中へ入れて送ってくれる。とんでもなく腐っているのも時々はいっていたりする。まだ、十数個残っているので早めにジャムにしたい。

 ニ回目の鍋は完全に失敗してしまった。何かの拍子で塩を大量に入れてしまったのでしょっぱくなった。それと煮詰め方の加減が不注意だったので固くなりすぎてジャムというよりゼリー状になってしまった。ふかし鍋に皮をむいたリンゴのスライスをお湯といっしょに入れて他に多少こだわった砂糖と大ビンの蜂蜜の半分とレモン汁2個分を入れる。甘さはたいがいで甘すぎて気持悪くならない様にだいたいで調節する。煮込んだ後は始めヒタヒタだったのが三分の一以下になる。

 プロのジャム屋ならば一気に煮詰めることは可能だけれど、色々やりながら夜の余暇に作らなければいけないので四日間くらいはどうしてもかかる。それだけに愛着がある。よく、レシピを教えてくれと言われるが、コツは殆どなにもない。強いて云えば甘すぎない様に。それと固さだ。火から下ろすタイミングは固すぎず、柔らかすぎず。ここのつめが非常に大事かもしれない。煮詰めて冷えるとかたさが違ってくる。漬物をつけるのと違うから間違っても塩は入れない事。

 残ったリンゴでキウイ主体のミックスジャムは、大成功だったので、東急ハンズで買ったジャム用ビンに詰めていつも持ち歩いて試食してもらっている。ラベルはフランスでスケッチした水彩が貼ってある。今まで非常にいい評価を受けた。キウイは煮詰めると黒茶色になるので見た目は良くないが、すっぱさと甘さの感覚が良いそうだ。キウイはAAAの物だ。もう少しで良く熟した金柑が豊橋の岩瀬宅から着払いでダンボールいっぱい送られてくる。又忙しくなる。

ブリリアントのボス猿 みっちゃん

世話人 内田里枝

 ブリリアントには2匹のボス猿がいる。1匹は我が夫、施設長の内田秀司であり、もう一匹は寮長の鈴木光雄さんである。鈴木光雄さん(みっちゃん)はブリリアント設立以来の住人で、今年でもう11年目になる。最初の頃はおとなしく、真面目で無口の人だった。しかし仕事にかけてはとても熱心で、東海有機の農場でうずらのヒナの飼育にかけては厚い信頼を得ていた。

 アルコールで自分の人生を狂わせてしまった人だが、病院を出てブリリアントに来てからは自分に磨きをかけてきた。一度酒を飲んで失敗して、3ヶ月入院したがその後復帰してからは1滴も酒を飲まず、断酒会やブリリアントのために尽くしてくれている。3年前に突然吐血して豊橋市民病院に入院した時はもうダメかと思った。しかし彼は驚くべき生命力で回復した。

 会社を退社した今では、気ままにブリリアント農園で野菜を作ったりしてのどかな生活をしている。無農薬の有機野菜は栄養があり美味しくて、寮生は毎日たっぷり食べている。また、ブリリアントの玄関やフェンス沿いに季節ごとにきれいな花を咲かせてくれている。暑い夏にも水を絶やさずかけてくれて本当に頭が下がる。それからウコッケイの世話もしてくれて、美味しい卵を皆に食べさせてくれる。

 ブリリアントでは、毎週木曜日の夜「お話会」を行っている。それもみっちゃんの提案によるものだ。寮生が順番に話をして行き、最後に彼がまとめる。彼は自分の歩んできた人生を振り返ったり、断酒会に助けられて今があることなどを延延と話す。寮生はみっちゃんの人生からいろいろ学んでいる。

 今彼は「はまゆう断酒会」で副会長という大役をこなし、西へ東へとお話に出かけている。どんなに体調が悪くても、疲れていても休んだ事がない。強い意思の持ち主である。その功績を買われて今年の「ハート・イン・東三」では感謝状を頂いた。私が「調子はどう?」と聞くと、本当は痛くないとこ無しの体なのにいつも「絶好調」といって笑顔をふりまくみっちゃん。本当に良く頑張ったね。おめでとうございます。

第11回ブリリアント祭を終えて

宇野和男(寮生38歳)

 去る11月9日、駒形公民館にて年一回のブリリアント祭りが行われた。僕はスターダストとしての本番の歌(新生として第一回)発表があるのは当然として、前日から模擬店の五平もち味噌を作ったり、公民館の周りに「福祉秋まつり」とか「ブリリアント祭」と染めてあるのぼりを立てたり、イベント:フラメンコショーのPA(CD,MD、アンプの操作)をはじめ全てを全部一人で責任もってとりおこなった。(使うオーディオの選択から機器の接続、ソフトの操作)、他の寮生も積極的に手伝った。こんなに寮生が深く関わったブリリアント祭も11回目にして初めての事だそうだ。

寮生もバザーのお手伝い

寮生もバザーのお手伝い

 このように自分達の祭を自分達で出来るだけ参加すると言う事は精神的にも成長できるいい機会だと思う。中でもスターダストの発表が一番得る物があると思う。特に今回スターダストは個人戦だったのでのでゲロゲロ病がでたら失敗になる。前日のリハーサルでは平気だったが、当日のリハーサルではじめてゲロゲロになって、やばかった。でも前日の夕ご飯後、何も口にしていなかったし、回復も早かった。100人以上も観客がいる前で、一人で歌を歌う時はどうしても、心の中で考える。今元気に歌えるのは全身でブリリアントを支え、優しく厳しい施設長さんや世話人さんのおかげとか、苦しかった入院生活からブリリアントと言う素晴らしいグループホームへ半ば強引に連れて来てくれた双子の兄貴とついて来た僕、とか“今生かされているのはその周りにあふれんばかりの愛情があるから”という気持などなにかのきっかけで心からの号泣になりそうになった。

 寮長の鈴木光雄さんも断酒体験談の時、やはり泣きそうになっていた。プロの歌手だってコンサートの時はここまでの自分の人生を考えて沢山の人達に感謝しながら歌っていると思う。僕はブリリアントにいるかぎりは、できる限りブリリアントの役に立とうと思う。

第11回ブリリアント祭(11/9)の感想

藤田:年1回程度のブリリアント祭りは皆が1つの事をやりぬいたことが意義ある事だと思いました。
宇野:友人との再会、スターダスト、PA(フラメンコやスターダストの時の音響セッティング)の成功など貴重な体験ができました。
平林:ブリリアント祭のすべてがよかった。
鈴木(和):天候に恵まれたくさんの人が見てくれて良かった。歌は上手じゃなかったけど皆に応援してもらって嬉しかった。
○○:スターダストで、本番は練習以上の成果がでてよかった。

祭のクライマックス、フラメンコショー

祭のクライマックス、フラメンコショー

近況報告

藤田一夫(寮生54歳)

 ブリリアント祭が終わって1週間位たった今また新たな出し物のしたくでふんどしを引き締めている今日この頃です。杉本さんという音楽の作成から演奏、編集まで出来る才ある方の協力を頂きながら準備に明け暮れている毎日です。また、11月19日(水)に用事があり市役所に行った帰りに駅前の広小路通りにある“はなまるうどん”で昼食を摂りましたが225円でした。この店は、かけうどんなら1っぱい105円でよく、とても助かります。最近こうした激安の店ができコーヒー1っぱいより安くて済みますが酒もタバコもやらない私にとって喫茶店でコーヒーを飲み、一時を過ごすのはとても心を癒せます。

ブリリアントに来て半年たって…

匿名希望(寮生20歳)

 私がブリリアントに来て早いもので9ヶ月、約半年以上が過ぎました。初めてブリリアントに来た時は、なれない環境で皆と仲良く生活が出来るか心配していたけれど半年が過ぎた今は皆を困らせるほどの、やんちゃな人になってしまい、このままだとどんどん皆を困らせると思い今は少しづつ皆と歩調をあわせるように努力しながら生活しています。

 私がこんなやんちゃな性格になったのもブリリアントに来てから初めてのことで、昔は本当に暗く、会社では明るく振舞っていても家に帰ってからは自分の殻に閉じこもって親とはぜんぜん話をした事はありませんでした。それもこれも、親からの必要以上の虐待があり、怖くて、話をしたら殴られるとばかり思っていたので、なかなか自分から話をする事はしませんでした。ブリリアントに来てからも、人見知りが激しくて最初の頃はひとと顔を合わせるのが怖い、知らない人と話をするのが怖いなどと思いながら生活していたけれど、だんだん慣れてくるとやっぱりここに入って正解だったなと思うようになりました。これからも奥さんや、寮生の皆に迷惑をかけないように生活をしていきたいと思います。そして、少しずつやんちゃな性格を直していき、これからは、一人の大人として頑張っていこうと思っています。

10分良い事帳と研修ノート

鈴木 和(寮生28歳)

 僕は文章にするのが苦手でなかなかまとまった文章にならなくてどうしたらうまく文章にまとめことが出来るのかわかりません。研修ノートでも気がついたことが1~2行しかかけません。10分良い事帳では暑い夏の日には畑の草取りを10分してその事を書きます。秋、冬はガラス磨きやくもの巣取りをしてその事をかきます。僕は毎日風呂そうじと湯はりをしていてそれを書いています。研修ノートは自分磨きのために日記帳のようなことを1周間毎日書きます。

楽しかった思い出

平林泰代(寮生31歳)

 私は父とけんかして「出てけ!、わしの言う事がきけんヤツはいいで。」と言われ、そのとき付き合っていた彼氏の家に居候させてもらいました。2、3ヶ月だったけれど洗濯、掃除、料理結構大変でした。でもとても楽しかったです。外食も多くしてくれました。でも、私が近くにいると言う事が彼氏のストレスになり、彼氏が1ヶ月入院しました。私はそこで家に帰らなければいけなかったけど、実家に帰るのはいやだったので、「火とか戸締りに気をつけるから。」と言って一人で住んでいました。

 実家には帰れないし彼氏の家にはいられないし、入院もやだし、「どうしよう」と困っていた時、可知病院のケースワーカーの中住さんが「ブリリアントというところがあるよ。」と教えてくれました。見学してすぐ入居しました。今は、世話人さんと一緒に夕飯の炊事をてつだっています。毎日がとても楽しいです。これからも皆と仲良く平和に暮らして行けたらいいと思っています。

ブリリアントの紅葉行楽

宇野和男(寮生38歳)

 このブリリアント新聞の原稿打ちが終わりそうになった11月24日(月)ブリリアントの一行は秋の紅葉見物として静岡県の小国神社に行きました。行き帰りはなるべくオレンジロードを通って秋を感じながらの行楽となりました。小国神社は入り口の鳥居の前を小さな川がながれていてその岸で自前のおにぎり弁当を摂り、写真も2~4枚撮りました。片道約2時間の行楽でした。

ブリリアント天国

世話人 内田里枝

 サンサンと降りそそぐ太陽、フェンス沿いには季節ごとに美しい花が咲き乱れ、畑では無農薬の有機野菜がおいしそうに育てられている。その間をウコッケイがのんびり散歩している。そんなのどかなブリリアントであるが今とてもいい回転が生まれている。

 そのベースになっているのは毎週木曜日に行われている「お話会」。寮長の鈴木光雄さんがリーダーとなり寮生一人一人順番に話をする。最後に光雄さんが今までの人生で学んできたエキスみたいなものを寮生に話ながらまとめる。金じゃ買えない何かがあると私は確信している。

 月1回のヨガ教室もとても良い結果が出ている。第1、寮生の顔つきが変わって来たと杉浦先生は言う。私自身も苦労しなくても太らなくなったし食欲のなかった寮生は胃が丈夫になりしっかり食べられる様になった。笑いの準備体操も精神的にとても効果があるようだ。何しろ心身ともに健康になるような気がする。

 スターダストの歌練も寮生の気持を1つにする。目的に向かって練習する姿はとても好感がもてる。手と手をつなぎあっているという感じがする。今度のブリリアント祭ではかなり自信をつけたんじゃないだろうか。今スターダストはプロデューサーも付き、とても燃えている。やる気満々である。そのうちブリリアントの歌も出来るだろうし、あちこち出前で忙しくなると思う。夢は無限に広がり寮生の目も輝いている。来年のブリリアント祭では会場のお客様と一つになってブリリアント音頭でも踊ろうじゃないか。

行事報告 平成15年9月~10月

9月 3(水)ヨガ教室
  14(日)健康フェスティバル(ライフポート)
  20(土)誕生会
  28(日)ピクニック(大池公園)

10月 1(水)ヨガ教室
  11(土)豊田市家族会(あけぼの会)ブリリアント見学30名
  12(日)可知病院運動会見学
  19(日)断酒会全国大会見学(レインボーホール)
  25(土)心の健康フェスティバル 「ハート、イン、東三河」
       (豊川文化会館)  *寮長の鈴木光雄さんが感謝状を頂きました*

11月 1(土)駒形神社清掃
   2(日)駒方神社秋祭り参加
   5(水)ヨガ教室 カラオケ大会 (じゃらおけや)
   9(日)第11回ブリリアント祭 (駒形公民館)

☆ブリリアント祭で御協力下さった方々

上島様、北川様、佐溝様、塩の谷様、清水様、杉浦様、杉本様、田中様、長澤様、フラメンコサークル(ヴエノス・ウェルテ)の皆様、東海起業㈱、東海有機㈱

☆ブリリアントに御寄付下さった方々

青木様、石田様、稲地様、今川様、大澤様、大須賀様、岡林様、北川様、柿野様、鈴木様、鈴木様、清水様、高洲様、中村様、夏目様、円山様、溝口様、柳川様、山本様、横田様、若松様、豊橋善意銀行様、東海有機㈱

編集後記

何かと忙しかったブリリアント祭がおわり、今なんとなく充実感で一杯です。スターダストは夢の出張演奏を本格的に始めることとなり、プロデューサーも隔週で指導に乗り出してくださる事になりました。もうゲロゲロなんていってられません。

編集長 宇野和男

 ブリリアント祭が終わりほっとしたのもつかの間、クリスマスのホームコンサートを行うことになり、また燃えている毎日です。お暇な方はどうぞブリリアントにお出かけ下さい。(入場無料)

   とき:12月13日(土)PM7:30~9:00
   ところ:ブリリアント地下ホール
   内容:語り歌、バイオリン、アルトサックス、クロマチックハーモニカ、
        ベース他。

世話人 内田 里枝
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