レッツ ブリリアント 2003/04 第9号

発行者
精神障碍者社会復帰施設
特定非営利活動法人(NPO法人)ブリリアント 施設長 内田 秀司

住所 〒 441-8145 豊橋市駒形町字坂口56番地
TEL 0532-46-0033
FAX 0532-46-0163

URL http://brilliant-gh.sakura.ne.jp/

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平成15年4月1日発行

感性だけの作家「ピエール・ルシュール」

森下昌洪(一般:岩倉市50代)

 松坂屋美術館で色彩の詩人と言われているフランス人作家「ピエール・ルシュール」展を観て来た。彼は80歳でパリエコールド・ボザールパリ美術学校をたった3日間で退学した。マチス・ボナールの影響を強く受けた。小さい水彩から100号位まであった。非常に身近な静物、風景が多かった。僕の部屋とかフランス料理店、おしゃれなカフェ、ホテルのロビーに飾りたくなる絵だ。一般に分かりやすい。ピカソ、ミロのように人に楽しさを与える。日本でのピエール・ルシュールの約80点の展示は初めてだそうだ。日本人に人気がある。

 彼がエコルド・ボザールを3日で止めた理由がわかった。毎日毎日何にも面白くないデッサンに興味が湧くはずがない。1つ1つの静物は酔っ払って描いたか、子供がはじめて子供がはじめて筆で描いたようだ。この感覚が僕は大好きだ。絵画は上手・下手に関係ないと再認識した。むしろ線などは曲がっているくらいの方が親しみがあっていい。僕もピエール・ルシュールの感覚で皆が楽しくなるような絵を描きたい。

最近のペット達とブリリアントの現状

鈴木光雄(寮生63歳)

 大分春らしくなってきましたね。その後の愛ネコ「シロ」の様子について書きます。最近、久しぶりに一緒に寝る事が2日ばかりありました。寝る時にはシロの片手を私が握りお互いに感触を味わいながら眠る事にしています。手を握ってやらないとシロの方から手を差し延べて来ます。知らん振りをしているとツメを少し立てて痛くない程度に私の指にこすり付けます。シロにも人の気持が解かるような気がしました。それで余計に可愛くなってきます。シロが喜びを表現するときは、前足をそろえて、体をシャクトリ虫のように曲げ、そのまま擦り寄ってきます。その表情がまたとてもいいのです。

 一番私の心を打つのは私の精神状態を見抜き、鳴き声を変えてくる事です。シロが生まれ変わってくる時はきっと優秀な人間になってくると思います。その日が見られたら私にとって最良な日だと思います。満身ダメージを受けた私ですがその日が来るまでは元気で生きたいと思います。

 次は犬のパンダの現状報告です。私とパンダは同級生で、ブリリアントの一員になってから10年になります。今は、私が体の具合が優れず、散歩に行ってやる事が出来ませんが、パンダの状態は一番良く知っているつもりです。パンダも今では私とは一緒に散歩に行けない事を知っているのか、顔をみても、もう鳴かなくなりました。今では若い寮生達と散歩に行く事を楽しみに皆が帰ってくるのを待つ様になりました。私の時は首輪をはなしても私の視野から出るような事はなく、知らん振りをして歩いていくとパンダのほうで気を遣い、サッサッサーと近づいて来たものですが、今の若い寮生の時はこの時とばかりに遠くへ逃げていくらしいです。

 最後に金魚について書きます。まだ、水も冷たく金魚にとっては厳しい日々が続きますが、大きい金魚は7,8匹いて元気に泳いでいます。昨年末に見た2匹の金魚の赤ちゃんはまだ、一匹しか姿が見えません。まだ水が冷たいせいだと思います。エサをやってみましたが、メダカが5~6匹水面に出て来ただけでもう少し暖かくならないと詳しい事はわからないです。今回の新聞(レッツブリリアント)が皆さんの手元に届く頃には金魚もきっと全員姿を見せてくれることだと思います。

 さて、去る3月12日に名古屋市守山区小幡の萌作業所の人が5名来られました。私達にとっては初めての訪問者だったので、心からお迎え致しました。同じ病気を持った人達が交流し合うのは非常に良い事だと思いました。まだブリリアントに来られてない大勢の方々に自信を持ってブリリアント見学をお勧めします。

新生スターダストの活躍

宇野和男(寮生38歳)

 去る3月5日、豊田市役所で精神保健福祉家族教室の講演の依頼があり、ブリリアントの一行は約1時間半のブリリアント発表会を行いました。観客は精神保健福祉に深い理解を持たれている豊田市の地域家族会の方々で皆真剣なようでした。そんな中、当事者である寮生からなる合唱隊、“スターダスト”に対する目は暖かくもあり、厳しくもありました。私は健常者の目の前で障碍者を演じなければならないこのスターダストはあまり好きじゃないのですが、観客が納得してくれたときの発表後の爽快感は捨てがたい宝物と思っています。でも実際困る事は、歌を歌う事を意識しただけで猛烈な吐き気がおそってくる事です。私は発表日は朝からなにも口にしません。そして30分ごとにトイレで口に手を突っ込んで胃液を吐き出しています。そのおかげで4~5曲本番で歌っても平気なのです。

 今回私が唄った曲目は、私の独唱によるビリーバンバンの “さよならをするために” と会場の全員で唄った “大きな古時計” です。他にはマンガ博士の福岡君が同じく独唱で“仮面ライダーV3”、また新顔の藤田さんは得意のクラッシックギターで“禁じられた遊び”を演奏しました。皆2月初旬から週3回の歌練で鍛えただけあって実力を出しきっていました。今回の成功で念願の「スターダスト」の慰問に対する可能性が出てきたのではないかと考えています。今のところ後11月のブリリアント祭しか予定がないのですが皆様のご要望に応じて出演はOKです。是非新生スターダストをご利用下さい。

福祉の実像

藤田一夫(寮生53歳)

 豊田市役所で精神保健福祉に関する研修会が3月5日にあり、グループホームブリリアントでは全員で出張演奏会に行きました。そこでは、グループホームを建てるのにいくらかかるとか寮生がいくら納めているかなど具体的に多くの質問が出て、グループホーム設立に対する関心度が高いのにとても感激しました。ブリリアントの紹介が終わった時点で後かたずけを何も言わないのに手伝ってくれました。やがてこの様な街では精神障碍者も救われる日が近いうちに来ると思いました。

 しかし、近隣の某所の障害福祉課には、もう定年まじかと言うのにグループホームの存在すら知らない役人が実在したなど信じられない事もありました。私はもっともっと今回のような出張演奏会をしたほうが良いと思いました。

 今では中学生の総合学習の一環として障碍者のための小規模作業所やグループホーム等の見学学習があるのだから市役所の役人も中学1年からやりなおした方が良いとおもいます。

歌の練習

鈴木和(寮生27歳)

 歌を歌うグループで3月5日の発表の日にむけて、水曜日金曜日日曜日。内容は「風」と「おおきな古時計」を皆で歌い、藤田さんは「禁じられた遊び」のギターをひき、福岡君は「仮面ライダーV3」の歌。歌のグループで歌をリードしてくれてる和男さんは「さよならをするために」を歌い、ぼくはみんなで歌「風」と「おおきな古時計」の練習をしました。

 和男さんや奥さんにアドバイスされながら練習をして、練習時間は夕方4時半ごろから夕方5時か6時ころまで練習したり、夕食後6時から遅くても8時ころまでやりました。僕はみんなみたいに、歌がうまく覚えられなくて、結局、「風」と「古時計」を練習していました。和男さんはみんなに歌の歌詞の部分がおかしくなっていたところを指摘し「こうしたほうがいいよ」とアドバイスをしてくれて練習ははかどっています。和男さんがいてくれてたのもしいです。3月5日水曜日の発表の日うまく歌えてよかったです。

ようこそブリリアントへ

世話人 内田里枝

 3月12日、風は強いがカラッと晴れ上がった心地よい日和、畑の向こうからブリリアントに向かって歩いてくる5人の人影。私は寮生に「集まれ!」の号令をかけた。玄関で待機していると、「あれっ?」一行は畑の中に入ってしまった。ブリリアントがわからなくて道を尋ねているのかしらんと思ったら、皆バッグから財布を出している。それぞれにブロッコリーを手に持って満足気な顔。寮生達もニコニコ笑ってその様子を見つめていた。どうも取立てのブロッコリーを畑で調達したらしい。そして一行はブリリアントに到着した。彼らは名古屋市守山区にある萌作業所の人達。「さすが都会人、目の付けどこが違うね。」私の第一声。会った時からもうずっと昔からの知り合いの様だった。

 メンバーさん一人、ボランティアさん一人、スタッフ3人のご一行は「いいとこだねー、広いねー。」目を丸くしている。寮生も一緒にリラックスルームに入ってまずは自己紹介。私はその間に昼食の用意をする。カレーライス、大根のサラダ、イチゴ、ゼリーと簡単なメニューだが心は込めたつもり。「さあ昼食の時間です。セルフサービスで自分で食べたいだけついで好きな場所に座ってください。」この日は指定席ではなくお客様の間に寮生が混じる形となった。あれこれ言葉を交わしての昼食、福岡君も「ぼく、クレヨンしんちゃんが好き。」なんてフタッフの方に話しかけている。「いい、いい。」私は心がうきうきした。

 昼食がすんでおなかが一杯になるとビデオ上映が始まった。10周年記念のブリリアント祭は何回見てもいい。私もつい見入ってしまう。そうこうするうちに、元くすのき会会長、清水伸太郎さんが到着した。早速場所をリラックスルームに移して、ハーモニカの演奏が始まった。相変わらず彼のハーモニカはすばらしい。お客様も感動して聞き入っていたようだった。クリスマスの時よりもメニューが増えていて、「おおきな古時計」もあった。その後はスターダストの出番。この間豊田市で歌ったばかりだったので、皆調子良かった。歌やギター演奏が終わると丸く円陣を作り、光雄さんの司会で合同お話会が始まった。萌作業所の人達は口ぐちに「こんなに心温まる手作りのおもてなしをしてくださるとは思いもしませんでした。」と感激でいっぱいの様だった。「これからもいろいろ交流していきたいね。」など前向きの意見が出て、お話会も盛り上がった。

 その後一行は和男君の案内でブリリアントを見学した。2階の窓から見た景色が広々として気持がいいので「こんな環境のいい所で生活出来て幸せですね。」と羨ましい様子だった。最後は光雄さんが、ウコッケイとブリリアント菜園を案内した。ウコッケイが可愛くてお客さん達は鶏小屋に頭を入れて、見入っていた。ブリリアント菜園の手入れの良さにびっくりしたり、光雄さんの可愛がっている金魚達を眺めたりして、交流会は全て終了した。お土産にウコッケイの卵をあげたら皆大喜びだった。

「ブリリアント一座」

世話人 内田里枝

 春とは言ってもまだ名のみの寒い日、「ブリリアント一座」はいざ豊田へ。と言うのは豊田保健所主催の「精神保健福祉家族教室」に招かれたからである。1時間半の時間を頂き、「なんでもありでいいよ。」と言う言葉を受けてメニューを考えた。施設長の講演、寮生の体験談、スターダストの歌、あとビデオ上映、スライドなどを組み合わせてプログラムは完成した。問題はスターダストの歌である。昨年の10周年記念のブリリアント祭以来練習はお休みになっていたので、また開始することになった。曲目選びから始まり、それからの猛特訓。しかし目標ができて寮生は再び生き返ったようだった。特に和男君は緊張するとゲロゲロ病が出るので、最後はそれとの戦いだった。

 ブリリアント一座の出番が来た。一同前に並び司会の光雄さんがメンバー紹介をした。それからブリリアントのビデオ上映。お客様(家族会の人達)はワーとかフーとか何かしら反応を示しながら見て下さっていた。中には涙ぐんでおられる人もいた。次は光雄さんの体験談、なかなか実感がこもっていて迫力があった。彼は断酒会でいろんな所でお話しているので、場慣れしている。一言一言に重みがあり、ウーンとうならせるものがあった。

 次はいよいよスターダストの登場。まずは和男君の「さよならをするために」。彼は朝から何も食べてない。飲まず食わずなのにトイレに何回でもウーッと吐きに行く。これがゲロゲロ病だ。しかし本番ではとっても上手に歌えたのでホッと胸をなでおろした。次は福岡君、彼は得意の「仮面ライダーV3」、普段の実力を発揮した。スターダストの中では一番落ち着いている。そして全員で「風」を歌った。和君と一夫さんのソロの部分も何とかこなした。次の一夫さんのギター演奏「禁じられた遊び」もいままでで一番良い出来だった。皆度胸がいい。最後は会場の皆さんと一緒に「おおきな古時計」を歌った。

 そしていよいよ施設長のスライドを使っての講演である。青い空、サンサンと降り注ぐ太陽、畑の中にデーンと建つブリリアント、またかわいいウコッケイ等、私の用意したナレーションの台本とは大分違っていたが、それなりのブリリアントの暖かさが伝わったと思う。全て終わりブリリアント一同前に並ぶと、心のこもった花束が一人一人に贈られ、寮生皆感激していた。「何て心温まるおもてなしだろう。」ブリリアント一座は無事終わったと言う安心感とこの暖かい歓迎に、帰る途中ずっと心がザワザワと踊っていた。「やったー!!」寮生は心の中で叫んでいたに違いない。その後の打ち上げの回転寿司の美味しかった事。ブリリアント一座の初デビューの一日であった。

ブリリアントに入って

匿名希望(寮生19歳)

 1月27日、家の事情で帰る事が出来なくなった私は、社長さんの知り合いの人と相談してくれる事になった。それが今生活しているブリリアントだった。ブリリアントの奥さんと私の社長さんとは知り合いらしく、奥さんも私の事を快く受け入れてくれた。最初の頃は不安や戸惑いがあり、みんなとやっていけるかとっても心配だったけど、みんなとっても親切な人達で不安もうすれていた。私にとってブリリアントは理想していた場所そのものだった。家にいた時は親とは全く話しをしなかったのに、なぜかブリリアントに入ってからはよくしゃべる様になっていた。親としゃべるとすごい違和感を感じていた私だったが、奥さんに話しをする時は自然と笑顔が出る様になった。もしあのままブリリアントに入れなかったら私はどうなっていただろう。多分、親からのまたとてつもない暴力に苦しんでいかなければならなかったと思う。そんな生活よりも私は暖かい家庭で、みんなでわいわい言いながら笑顔の絶えない場所で生活するのが小さい頃からの夢であり、やっとそんな所に出会えた。“ブリリアント”というグループホームに入れた事はなんかの運命だ。

 今思うともしあの時助けを求めていなければ、こんないい場所には出会えなかったと思う。社長さん、それからブリリアントの奥さんには言葉では言いあらわせないほど感謝している。また、私の為に真剣になって心配してくれた河辺さんや彦坂さん、本当にありがとう。私が今言える事はこれくらいだけど、みんなには本当に感謝している。本当、私はブリリアントに入れてよかったと思う。これからも仕事に精一杯がんばり、ブリリアントでは奥さんを少しでも助けてあげようと思う。終わり

「カリフラワーとブロッコリー」

森下昌洪(一般:岩倉市50代)

 僕がはじめてカリフラワーを食べたのは、小学校の高学年頃だったと思う。カリフラワーは日本名で花野菜とか、別名がある。祖母がゆでて、マヨネーズをつけて食べていた。なんて変な食べ物かと思った。花の部分の様でどうも気持悪かった。ブロッコリーの歴史は、カリフラワーに比べると浅いと思った。30年位前に急に出てきた様だ。フランス料理ブームで輸入野菜がよく使われる様になった。ブロッコリーの消費量はその当時から増え続け今では、カリフラワーを完全に押さえてしまった。店頭ではカリフラワーが目立たない。ブロッコリー人気は鮮やかな緑色が健康食ブームに集まったからだ。グリーンはなんとなく体にいい様に感じる。栄養的に分析したらカリフラワーの方が、優れていると思う。味だけの比較なら僕はカリフラワーを選ぶ。これだけブロッコリーの消費量が多くなると輸入された物の農薬の量が気になる。主にスーパーに並んでいるアメリカ産は安いけれど買いたくない。

 国内で生産量が多いのは渥美半島産だ。カリフラワーがスーパーで並んでいたらほとんどどこでも出来るし身近だから農薬の心配はない。ブロッコリーは色どりでつかわれるのでビーフシチュウとかステーキの付け合わせに合う。カリフラワーはどっしりしているのでそのままゆでてマヨネーズとか酢味噌にしてビールのつまみになる。ブロッコリーに人気があるのは、見た目だけだ。カリフラワーの方が味わいがある。これからは、食通の間で、徐々にカリフラワーが見なおされるだろう。

見学の案内

 ブリリアントでは今、皆様の見学をお待ちしております。

 ① 日帰りコース:合同お話会、昼食会、スターダストイベントコーナー、ブリリアント見学(寮内、ウコッケイ、ブリリアント農園)

 ② 1泊コース:①に加えて夕食会、カラオケパーティー、卓球大会

ホームページ公開について

 ブリリアントの設立から現在までの生活情報満載!! 是非ご覧下さい。URLは巻頭に!!

「ブリリアント一座」出前について

 内容:ブリリアントのビデオ&スライド上映、寮生の体験談、スターダスト、その他一般アーティストの参加など。

   皆様と感動を分かち合いたいと思っています。

   是非ご連絡ください。TELは巻頭をご覧下さい!!

編集後記

 スターダストは3月5日の発表からすぐに別ジャンルの曲目にチャレンジしています。目指すのは老人施設への慰問です。ゲロゲロ病をありのままに頑張りたいと思います。

編集長

 ブリリアントで味わっているすばらしい感動を皆様にお伝えしたいと思っているのですが、最近あまりにありすぎて何からお話ししていいのか困っています。ブリリアントの生活はそれほど素晴らしいのです。

内田里枝
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