レッツ ブリリアント 2002/11 第7号

発行者
精神障碍者社会復帰施設
特定非営利活動法人(NPO法人)ブリリアント 施設長 内田 秀司

住所 〒 441-8145 豊橋市駒形町字坂口56番地
TEL 0532-46-0033
FAX 0532-46-0163

URL http://brilliant-gh.sakura.ne.jp/

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平成14年11月1日発行

ブリリアントとは

施設長 内田秀司

 ブリリアントとは、アルコール疾患や精神疾患からの回復者が社会復帰を目指し共同で生活訓練する場です。寮生6人とまかないの運営責任者夫妻それと管理人さん9名で構成されています。メンバーは社会復帰を果たしたり、結婚したりして随時異動しています。部屋は個室でBSテレビのアンテナも各室用意されています。寮生に誕生日のある月はレクレーション的誕生日会が行われ、おいしいケーキも食べられます。ほぼ毎月1回は何かしらレク活動を行っています。例えば、ワゴン車で浜名湖近辺をドライブしたり8月にはマリンジェット体験もしています。また、3月には1泊旅行をします。普段とは全く違う開放的な気分で温泉などを楽しみます。現在グループホームは注目されていますがこのブリリアントはすでに10周年を迎えており、家族的なグループホームとしては全国的に有名です

 「原田夫妻について」

岩倉市 50代 森下 昌洪

 原田夫妻に初めて会ったのは、地下鉄池下駅前の「ギャラリーちゅうぶ」だった。その時は、たまたま加藤利和君37歳障碍を持った人の個展の最終日だった。加藤君の自由な素晴らしい絵に見入っている時に原田夫妻に声を掛けられた。絵の感想に話がはずんだ。そのうちに原田さんは、自分は障碍を持っていますと、いきなり障害者手帳を見せてくれた。統合失調症の2級の障碍だった。奥さんも同じ病気らしい。病院で患者同志と言う事で一緒になったようだ。二人共本当に子供のように素直で、私に対して警戒心は全く無く、初対面の感じはしなかった。普通の人と変わらない。港区の市営住宅に入居している。

 仕事は「ギャラリーちゅうぶ」のオーナーである原田さんのお手伝いをしているらしい。国から障碍者手当てはもらってはいるが、働いて税金を払ってみたいと言っていた。立派な考えだと思った。ギャラリーでは二人が仲良く連れ添っている姿をよく見かける。実家には小五の女の子がいる。いつか一緒に生活したいと言っていた。絶対に病気に甘えることなく、人に対しても謙虚なのである。わたしの出演したライブに来てもらった。一番熱い熱帯夜であり、しかもこの様なライブは初めてで、人の熱気で圧倒されてしまった。ご主人は奥さんの状態を気遣って早めに帰った。夫婦でちゃんと自分たちの限界を知っていて行動したのだ。手紙では、途中で帰って申し訳無かったと書いてあった。

 僕は決して障碍者という目では見ていない。ご主人は以前大腸ガンの手術をしていた。ハンディを感じさせない。心が澄み切っているので、一つの話題に対しての集中力はすごい。人の心の深い部分の感受性が素晴らしい。先日私の手紙に対してのお礼に「下関のとらふぐ皮刺し」を送ってくれた。また感想を書いて返事を出すつもりだ。僕と原田夫妻との関係は、これからもずっと続くような気がする。

ある夏の日

白井千雄(寮生57歳)

今日は女ヶ浦へ海水浴をかねてあさり獲りに行く事になりました。朝9時ごろから寮生合わせて4人でブリリアント号で出発。国道1号線を神鋼電機から左に入り二川のバイパスを右折して新所原方向に向かう。日岡の信号を右折してすぐに左折してしばらくして女ヶ浦海水浴場の看板があった。そこを右折して駐車場へ。バケツ等荷物をもって桟敷席へ。海水着に着替えて海中へと向かう。波は穏やかで深さはちょうど胸のあたり。子供から大人、若いカップルグループの青年達みんな楽しそうに遊んでいる。少し沖にそれ以上外に出ない様簡単な柵がしてある。その少し沖にボートが行ったり来たり。わたし達はあさり獲りをして楽しみました。昼食はバイキング料理を食べました。帰りは少し農道を通ってドライブを楽しんで帰りました。

おジャ魔女どれみ

福岡秀喜(寮生30歳)

ぼくは、どれみちゃんがすきです。かわいくて、あの「あたしって世界一不幸なびしょうじょだー」がいいです。ドジだけどすてきな女の子です。ほかにも、口をふくらませて「プップップッーのプー」てやります。おこったときにつかいます。どれみちゃんはおもしろくてさいこうな女の子です。

 どれみちゃんにはいもうとがいます。名前はぽっぷです。ほかにもどれみちゃんのママやパパがいます。どれみちゃんは、まほうをつかう時「ピーリカピリララポポリナペンテルト」っていって、たとえばハムスターだったら「ハムスターになれー」とかにつかいます。どれみちゃんには友だちがいます。

 小竹君や、木むらくんや玉木さんがいます。先生はせき先生です。女の先生です。ほかにも、はずきちゃんやあいこちゃんやおんぷちゃんもいます。すずきちゃんは、まほうをかける時「パイパイポンポイプワプワプー」であいこちゃんは「パメルクラルクラリロリポップン」です。おんぷちゃんは「プルルンプルンファミファミファー」です。どれみちゃんは、へんしんするさいごに「プリティーウッチーどれみッチー」といいます。うたもいいです。

ブリリアントのウコッケイ

内田里枝

 寮生の光雄さんが「ニワトリを飼いたいなあ。」という一言から、主人が「よっしゃ!!」ということになり、さっそくニワトリ小屋を作る事になった。基礎から土台作り、全部主人の手作り。1ヶ月ほどかかって立派な鶏舎が出来あがった。平飼いで卵は巣箱に産むように作られてある。

 7月のある日ヒナが入った。よく見るとどうもニワトリと違う。頭にフワッとした帽子をかぶったようなかわいい鳥が白いのと黒いので合わせて30羽くらい入っていた。これがウコッケイという鳥らしい。小屋の真中で仕切られ、片方は白、もう片方は黒という風に分けられていた。

 毎日光雄さんが餌をやり、水をやり、かわいがって育てていたが、8月のある日事件が持ち上がった。雄のウコッケイが鳴き出したのだ。今まではヒヨコだったのだが、どうも成人したらしい。1羽だけではなく、1羽が鳴くと違う仲間のウコッケイが反応すると言う具合で、朝昼区別なく、ちょっとしたダミ声で「ゴゲゴッゴー!!」「ゴゲゴッゴー!!」と叫ぶ。急にブリリアントはさわがしくなった。寮生もオチオチ寝ていられない。気の早いヤツは朝3時頃からこのあいさつだ。寮生から寝不足の苦情が出だした。主人に「困ったよ。」というと「鳴くヤツから食ってしまえ。」ということになり、さあ、誰がウコッケイを絞めるのか問題になった。「俺いやだよう。」「俺もいやだよう。」そこへ光雄さんの登場。「よし。わしが絞めてやろう。」その役を買って出たのはいいが、いざという時小屋から外へ逃がしてしまい大騒ぎ。結局、光雄さんとネコのシロのはさみうちで無事ウコッケイの親分を取り押さえる事に成功した。ネコのシロも大活躍だったらしい。光雄さんの手にかかり親分はあわれな姿となって台所のまな板の上。彼の手さばきもよろしく、ぶつ切りの肉となった。

 皆さん知っていますか?ウコッケイは骨も肉も黒いということを。本当に黒くてビックリ。その日の夕食はもちろんウコッケイのシチュー。味はあっさりしているけど旨味が出ていてとてもおいしかったよ。体にも良い健康食品らしいです。ウコッケイのシチューを召し上がりたい方、一度ブリリアントにお越しあれ。

ゆうきだより

T.K(60代)

 「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉の通り朝晩めっきり涼しくなってきました。ここ豊橋でもススキの穂が涼風に揺れ、赤トンボが飛び交い、すっかり秋めいて「夏のあの猛暑は夢だったのか」と思われる今日この頃です。今夏は暑さが一段と厳しく、健康の維持にご苦労された方もおありかと思います。私もちょっとした避暑気分で、8月末の暑い盛りに数人で岐阜県の加子母村へ行ってまいりました。(2泊3日の旅)加子母村と言えば最近テレビなどでも報道しておりご存知の方もあると思いますが、岐阜県中部に位置する標高数百メートルの山村です。「裏木曽」と呼ばれる山々は全国的に有名な木曽杉・桧の国有林や民有林が健在する、すばらしい自然の宝庫となっています。

 そしてこの村は今の日本では珍しく林業での村興しをしている貴重な村です。近在で豊かに産する木材資源を利用して、新建材を使わずに白木の家を日本全国で建てているそうです。村の主要な施設は、全てがその杉や桧をふんだんに使った総白木造りです。見せてもらった小学校は馬蹄形をした2階建ての建物で、教室や廊下の床や壁はもちろん、生徒が使う机や椅子までが全て白木で出来ているのに驚きました。

 更に感心したのはその机や椅子が生徒の背丈に合わせて高さを調節できるようになっているなど細かいところまで心の行き届いた造りになっていることでした。このような心やさしい人々が住み、自然を守っていてそこで採れる山菜・野菜・川魚などの美味しいこと!。私たちは避暑のための小旅行なので、見学などはそこそこに下呂温泉近くの観光ヤナ場でアユの塩焼きに舌鼓を打ち、ちょっと足を伸ばして隣の馬瀬村にある「美樹の里」で温泉気分を満喫してきました。清らかな湧き水・美しい川・澄んだ空気・あふれる陽光があり、それらに育まれた山々と木々の雄大さ、たくましさ、凄さ、そして優しさ、大切さを肌で感じました。「こんな自然をいつまでも、未来永劫に残したい」と心から思った小旅行でした。

花火大会

鈴木 和(寮生28歳)

 8月初めの土曜日夕方6時か6時半ごろから花火大会が始まって夜7時頃車で現地へ向かいました。夜店があったり人ごみでたくさんの人だかりでした。車の中から花火を見ながら現地へと向かい、星の形のものやらハート形のものとか渦巻き形とか丸いのとか色々見て30分ぐらいして現地について立ち入り禁止区域で1時間30分楽しみました。火の子とか花火のかけらが落ちてきて少しびっくりしていました。迫力があって綺麗な花火でした。また機会があったら来年も見に行きたいです。

カリー カルカッタ風

(材料)

冷水、ターメリック片栗粉、鶏卵トリのもも肉、コーンポタージュトマトピューレ、マッシュルーム

社会復帰をどう実現するか

 私達、精神障碍者はいつ病気が再発するかわからないという社会的不信感から不当に低い賃金でしか雇われない、またいつ解雇されるかもわからないという厳しい現実があります。しかしいわゆる小規模作業所に一生いられるわけでもありません。そこで精神疾患からの回復者達がどのようにしたら安定した、十分な条件で社会復帰できるかを自戒の気持も込めて話し合いたいと思います。具体的には生活保護や障碍年金が無くても社会的就労を続けられ、そして結婚、出産、育児、また老後の生活保障をどのようにして獲得していくべきなのか、またそれは不可能なのか、甘えのない議論をしたいと思います。

寮生募集の案内

 ブリリアントでは今、寮生(男性)を募集しています。入居の条件は、以下のとおりです。
☆自分の事が自分で出来る人
☆他人に迷惑をかけない人
☆家賃の払える人


 ブリリアントでは、ポインター犬(愛称パンダ)と猫のシロを飼っています。とてもかわいいですよ。また、今回の記事にもなったニワトリのウコッケイも20羽くらい飼っています。時々夕食の材料になります。ブリリアント農園では季節にあわせて無農薬の有機野菜を作っています。そして採りたての新鮮な食材で食事を作っています。

 寮生の誕生会やクリスマス会、年1回の1泊旅行など、レク企画も充実していますよ。毎年秋には地域の人々も交えブリリアント祭りが行われています。寮生による音楽グループ “スターダスト” も活躍していますよ。この時はバザーや模擬店も賑わい、名物ブリリアントうどんや手作り五平もちは人気があります。

編集後記

 今年はブリリアント祭りが5月5日にすでにあったので例年のようなこの季節での開催はありません。寮生も何だか間の抜けたような感じです。7月、8月と、ブリリアント特別の社会参加プログラムで寮生も覚醒したようですがその疲れが秋に出た様です。新聞製作もお休みを頂き、十分に充電が出来ました。今寮生は毎日ラジオ体操と散歩を実行しています。風邪をひかない様気分を引き締めて参りたいところです。

編集長

 今年の夏は暑かったけれどブリリアントでは5回も海水浴に行き、泳いだり、アサリを拾ったり、マリンジェットに乗ったりと思いきり夏を満喫しました。今快適な秋を迎え、楽しかった夏を思い出しながら新聞作りに精を出しています。

内田里枝
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