レッツ ブリリアント 2020/04 第80号

発行者
精神障碍者社会復帰施設
特定非営利活動法人(NPO法人)ブリリアント 施設長 曽我洋秀

住所 〒 441-8145 豊橋市駒形町字坂口56番地
TEL 0532-46-0033
FAX 0532-46-0163

URL http://brilliant-gh.sakura.ne.jp/

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この頃想うこと

曽我洋秀(施設長)

 昨年の今頃はと考える。昨年の今頃は、平成から令和へと年号が変わるため、慌ただしい中、引きこもりの事件も起こり、考えさせられた。多くの人に意見を求められた。昭和、平成、令和と3つの時代を生きて来て思う事は、何が変わってしまったのだろうという事、一つには、愛着の問題であろう。

 親子の愛着と言う安全地帯のなかで、対人関係だけでなく、感情や認知、行動に幅広く影響している事が分かってきました。

 色々な方の家庭訪問に行って見て、分かる事が有ります。子供への安定した愛着スタイルを持っていない親が意外にも多いと言う事。一つは死別や離別によって母親がいなくなる、これは自分の世界が崩壊する、今一つは、守ってくれるはずの親から虐待をうけ、安全が脅かされる場合でしょう。

 子供にとって安全基地を確保している人は、外界のストレスにも強いものです。幼い頃にしっかり守られて育った人は、大人になってからも自分をうまく守れるのです。

追悼 宮城まり子さん

伊藤 剛(寮生47歳)

 3/21に宮城まり子さんの訃報をニュースで知った。とても悲しかったが、長年のご尽力に、お疲れさまでしたと言いたくなった。

 僕が初めて宮城まり子さんのことを知ったのは、おそらく小学生の頃に見た映画からだと思う。インターネットの百科事典(ウィキペディア)によれば、宮城まり子さんは、1974年には記録映画『ねむの木の詩』を製作・監督、1977年には『ねむの木の詩がきこえる』を製作と載っていた。1974年というと僕が小学6年生のことである。映画館で見た覚えはないので、おそらくは小学校、ひょっとしたら中学校で上映会が開かれたのかもしれない。愛情と笑顔に溢れたまり子さんの姿と、ハンディキャップにも負けずに頑張る子どもたちの姿が強く印象に残った。

 時は流れて、平成26年の6月に、支援者の佐溝さん好奇心ツアーに参加させていただいて、静岡県の掛川市にある、ねむの木こども美術館「どんぐり美術館」を訪れることができた。(レッツ ブリリアント 2014/07 第57号 参照)。その時に、「ねむの木の子どもたちとまり子」という画集を買って、その本は僕も熱心に読みましたが、理事長さんのお孫さんたちにも愛読してもらいました。美術館訪問の時にはお金が無かったので、後日、「ねむの木の詩」というDVDを購入しました。先日の訃報を聞いて、映画の方は以前に見たので、付属していたCDをあらためて聴きました。懐かしい、若い、まり子さんの歌声や、子どもたちの澄んだ歌声が生き生きとスピーカーから流れてきて、再び感動に包まれました。驚かされたのは、「ゴダイゴ」という音楽グループで数々のヒット曲を生み出した、タケカワ・ユキヒキさんがこのCD製作に参加しており、何曲もまり子さんの詩に、曲をつけていたことです。お二方がどういった経緯で一緒に楽曲を作るようになったのか、興味をひかれたので調べてみましたが、よくわかりませんでした。でも、いずれも素晴らしい曲でした。

「ねむの木の詩」 DVD

 宮城まり子さんが、ねむの木学園を創設したのは、1968年(昭和43年)です。それ以来、日本の障碍者福祉の先頭をずっと走り続けて来られた52年間でした。しかし、まだまだ日本の障碍者をとりまく環境には、様々な問題・課題が残されています。2016年(平成28年)7月には、極めて大勢の方々が犠牲になり、被害を受けた相模原障害者施設殺傷事件が起こりました。その後の報道や裁判においては、二次的な差別・偏見への恐れから、大部分の被害者の方々の実名が伏せられました。このような社会では、犠牲者の方々は、被告によって命を奪われ、社会によってもその存在意義をも奪われたことになるのではないでしょうか。先日、被告が控訴を取り下げたことにより死刑が確定しましたが、事件の背景、被告の思考、犯行の背景や経緯などは十分に解明されておらず、同様の事件が繰り返されないとは言い切れません。

 晩年の宮城まり子さんも、こうした現実には心を痛めておららたのではないかと想像しますが、今はただ、ご冥福を祈りたいと思います。

パンジーが咲きました。

兵藤なつき(支援者・34歳)

 皆さんご無沙汰しております。今年に入って新型コロナウイルスの感染者が広がって不安に感じていると思います。少しでも安心していただけれるかと思い、私が嬉しかったことを伝えます。

 昨年のココニコで行われた障害者のイベントの参加賞でいただいたパンジーの花の世話を行ってきました。マンションの塗装工事が終わりパンジーの花を植えたプランターをベランダへ出しました。パンジーをいただいてから毎日水やりをするようになっています。3月半ばになってパンジーが満開になりました。コロナウイルスで不安に感じている人たちへ少しでも励ましたいと思います。

パンジーが満開になりました

パンジーが満開になりました

今の仕事

小柳津昇久(寮生60歳)

 私は今、造船サービスという会社で働いています。仕事の内容は、仕出し弁当、給食作りです。自分の分担は、午前中は出荷作業、午後は食器の洗浄作業です。出荷作業は、弁当のロジ(ケース)を積んで数を数えて、ホワイトボードに書いていきます。洗浄作業は弁当箱を洗ったり、ロジ・ライス(保温箱)を洗っています。

今の生活

佐藤雅浩(寮生48歳)

 僕がブリリアントに入居してから、早いもので3ヶ月以上経ちました。その間に父が亡くなり、通夜、葬式、四十九日などがあり、なんだかあっという間に過ぎてしまった気がします。ブリリアントの生活は、色々な当番があったりして、なかなか忙しいです。1日30分以上散歩するというのもあります。毎日休まずに散歩を続けるのは大変ですが、なんとか続けようと思います。そして太鼓の練習もありました。太鼓はとても難しいので、覚えるのが大変だと思いました。これからもまだまだ知らない行事などがあるようなので、頑張っていこうと思っています。

食事養生の先駆者たち

杉浦 依和夫(支援者・ヨガ講師)

 食事養生を一言で謂えば、玄米菜食をいいますが、その中枢論は奥深く実行は難儀である。

 石塚左玄の「化学的食養長寿論」に端を発し、桜沢如一(さくらざわ・ゆきかず)がその一論から陰陽論を唱えた。石塚左玄は、陸軍薬剤監で明治の人物、桜沢は、欧米でも知られており、彼らは"ジョージ・オーサワ"(Gerorges Ohsawa)と呼んだ。桜を{オウ}ヨシカズを「ジョイチ」の発音することからで、現在は「オーサワ・ジャパン」という団体名で自然食材を中心に引き継がれている。

 また、その後には桜沢に感化された久司道夫氏が「マクロビオティック料理食」の名で自然食の有用さを欧米に喧伝していた。国内では、当初マクロビオティックは見向きもされなかったが、欧米から流行りだして日の目を見るようになった。

 余談であるが、私がヨガ道場で修行していた30代でしたか、桜沢里真さんが来られて食養会の設立後の話しを講演してくださった。たしか92歳でしたか、ご主人の如一先生はすでに亡くなっておりましたが、ご主人の思いを大事にされている様子の語り口でした。涼しげな着物を小柄な体に身を包み、上品なとても素敵な方でした。薄化粧して肌もお若く、女性陣からは質問攻めにあった。自然の野草・酵素などを、例えば化粧水には"へちま"の水分を、食べれる化粧品をコンセプトに「リマ化粧品」名で販売されていましたが・・・。

 マクロビオティックは自然食材を使った料理レシピであるに対しては、東城百合子さんが、食事で病気を治す「食養」本や体験集を出版しています。また医学博士の森下敬一、牛尾盛保、杉靖三郎教授などが相次いで食の大切さを訴えている。現代医学のメスと聴診器だけの医学では治しえない限界を知った、悟ったことでしょうか。ヨガ導師との縁のある方ばかりです。

 しかしである、玄米食で治ったというが落とし穴があります。よく、本の通りにきちっとやっているが少しは良いが、それ以上はないとか、何の効果もないと言ってあきらめる方も多い。その一人が私でもありますが・・・。中には先生の医院に診察を受けて処方を授かって実行したが酷くなるばかりで、患者さんから訴訟されたトラブルも聞き及んでいます。病症が同じだからと同じ処方ではダメで体質別・個性別などあるからアレンジが必要である。心して掛かるべし!

☆ ~同じ 空の 下~ ☆

鋤本 惠美(支援者)

今日も 青い空から 始まる一日

光が奏でる 前奏曲

しなやかに 花弁を開く 木蓮は

何を想い 何を語るのかな

そして。。。  

お空の オーケストラ。。。

今日の交響曲は。。。

 「運命」? 「未完成」?

それとも 「悲愴」? 「月光」?

そんなことを ふと 思う朝

新しい朝を迎えて 大切なあの人の

 あふれる涙は とまったかなぁ~

生まれたばかりの 桜の花に

静かに 耳を傾ける

今日も お空と一緒  お陽さまと一緒 

同じ 空の 下 

みんな みんな いっしょだねっ 

ありがとう おかげさま  ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆

同じ 空の 下

私の断捨離

理事長 内田里枝

 このところ、コロナウィルスの影響で、すべての活動がストップしてしまっているので、この時とばかり私は身の回りの断捨離を始めました。普段、なかなかめんどうくさくてできないことがいっぱいたまっていて、まずは食堂の食器棚からスタートしました。日常1番良く使う食器は手前に、あまり使わない物は奥へ。これだけでもかなり快適な料理作りができそうです。

 次は食料品の棚。これは時々やらないといけません。贈答品の頂き物を棚に置いたまま食べるのを忘れていた物が結構たくさんありました。また、買い置きして古くなってしまっている物も出て来ました。

 これが終わると次は自分のプライベートのエリアです。食器の戸棚もあるのですが、あまりにいっぱい詰め込みすぎて、ほとんど機能していません。アメリカに行った時、ノミの市で見つけた手作りの古いグラスセット、フランスのパリの骨董品屋で見つけた16世紀頃のコーヒーセット、イタリアのベニスで買った赤いベネティアングラス。これはキャサリン・ヘプバーンが主演したベニスを舞台にした映画で有名になりました。等々。想い出の品が所狭しと並べてあります。そのほか、私は民芸品が好きなので、手作り感覚の外国のおみやげ品もいっぱい飾ってあり、どれも捨てられずに悩みました。しかし、あれこれ考えて最終的にはコンテナに3杯くらい捨てました。

 引き出しの中には、これまた、息子の小・中学校時代の通知表や、高校時代生徒会長をやった時の賞状など、なつかしい物がいっぱい出て来ました。一つ一つ手に取っていると懐かしく、片付けの手が止まってしまいます。断捨離はなかなかやっかいなものです。

 次は、1番大変なお洋服の番です。私は物持ちが良くてなかなか捨てられません。しかし、どんなに大事にしていても悲しいかな、体型が変わってしまっています。特にウェストはきびしいです。どんなに愛着があっても、もう入りません。鏡の前で泣く泣くゴミ袋に入れるしかありませんでした。あれもダメ、これもダメ。ゆったりサイズしか入らなくなった自分を見つめて「ああ・・・私もおばあさんになったなぁ・・・。」とため息です。「昔はこんなに細かったのかなぁ・・・。」時の流れを感じました。タンスの引き出し、ロッカー、押し入れ。片付けるたびにゴミ袋に2、3杯は捨てる物が出ます。

 私はテレビの断捨離の番組をよく見ています。それに登場する山下さんがよく言っています。「次の新しい生活にいっしょに連れて行ってあげたい物だけを残して!!」 私は捨てようか、残そうか、迷った時にいつもこの言葉を思い出します。「ホントウは捨てたくないんだけど、でも残しても多分ロッカーの片隅に放置されてしまうだけだから。」と思い直して捨てる決心をします。

 毎日毎日片付けるたびにゴミ袋は増え続け、ついに10袋にもなってしまいました。でもタンスやロッカーは風通しが良くなり、お気に入りの服がすぐ見つかり「今度はこれを着てみよう・・・」と楽しみも出てきました。

 しかし、よくもよくもこうたくさん買ったものだと感心しました。それは私の趣味人間のせいです。昔、ソーシャルダンスを習っていた頃は、ダンスの衣装。次にフラメンコダンスをやっていた時はフラメンコの衣装。次はシャンソンです。シャンソンも、先生のご自宅で行うライブによく出させて頂きました。「その辺のつるしのドレスは着ないでね。ミンハーはダメ!!」との強いお言葉。先生からはドレスはもちろん、トーク、姿勢、身のこなしにも上品さを求められました。そして今はフラダンスです。

 という訳で、ロッカーいっぱいに今でもドレスがひしめいています。でもブリリアントの一座が慰問に行く時やブリリアント祭りには、この教訓がとても役立っています。

 今は主人も息子も、うるさく言う人は誰もいません。嫁と孫は2階のプライベートエリアなので、私は思う存分、自分らしい部屋で自分らしく残りの人生を楽しみたいと思っています。

祈り

白井千雄(寮生75歳)

 新型コロナウィルスによる肺炎が広がっています。中国の湖北省武漢市から感染が広がり、世界中に感染者が増加しました。楽しみにしていた東京オリンピックが延期になりました。これ以上、感染者が増加しないように祈っています。

行事報告 令和2年1月~3月

1月
1/1 (水)新春カルタ大会、初詣(駒形神社)
1/2 (木)初詣(金光寺)
1/3 (金)初詣(竹島)
1/6 (月)佐藤雅浩さんのお父さん通夜出席
1/13(月)杉浦貴之 トーク&ライブ(VEGECAFE)
1/18(土)たけのこカフェ、なんでもバザー(グループホームたけのこ)
1/19(日)内田貴士 三回忌法要(ブリリアント)
1/26(日)曽我先生カウンセリング

2月
2/1 (土)畑の仕事
2/3 (日)節分、太巻き寿司作り、豆まき
2/9 (日)梅見(向山公園)、二川本陣、道の駅
2/15(土)たけのこカフェ、お雛様作り、なんでもバザー
    (グループホームたけのこ)
2/22(土)ふれあいコンサート、太鼓の練習(さくらピア)
2/23(日)曽我先生カウンセリング

3月
3/3 (火)ひな祭り
3/20(金)渡邉君の荷物整理
3/21(土)畑の仕事、ジャガイモ植え付け
3/29(日)曽我先生カウンセリング

ブリリアントにご協力いただいた方々

北川藤良様、鋤本恵美様、澤田竜弥様、杉浦依和夫様、森下昌洪様、曽我洋秀様、佐溝力様、山口京子様、井上浩様、菅谷君男様、兵藤昇様、稲村絹代様、ボランティアグループふれあい様、豊橋善意銀行様、カリオンビル様、豊橋市社会福祉協議会様

ブリリアントにご寄付下さった方々

望月みつよ様、佐藤勝紀様、黒木武秀様、豊田愛里様、河合邦明様、伊藤洋様、金原光昭様、金原博昭様、金原康純様、稲村絹代様、天野裕子様、立岩清様、曽我洋秀様、鈴木静子様、北川藤良様、鈴木みどり様、大橋善行様、畔柳恵美子様、井上浩様、鋤本恵美様、山口京子様、藤井様、兵藤なつき様、小柳津明様、佐藤様、鈴木敬子様、後藤様、木下真男様、(株)造船サービス様、グループホームたけのこ様、アツミモータース様、豊橋善意銀行様、有楽製菓株式会社様、杉本屋製菓株式会社様

いろいろとご協力、ご支援ありがとうございました。

編集後記

 先の見えないコロナ禍のまっただ中ですが、皆様どうか、お体に気をつけて頑張ってください。ブリリアントも感染予防対策に取り組んでおります。

伊藤 剛

 コロナウィルスの影響で行動を制限する日々が続いておりますが、家で出来る楽しい行事を考えながら乗り切っていきたいと思います。

内田里枝
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